「DMC-TZ1」
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「DMC-TZ1」の光学系
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「DMC-FX01」
「DMC-FX01」
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2006年春のラインナップ
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展示会場での一幕
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 松下電器産業は,厚さが約40.2mmと薄い本体に,光学10倍ズーム機能を備えたコンパクト・デジタル・カメラ「DMC-TZ1」を製品化した。光学ズームが3倍の同社従来機であるコンパクト機「DMC-FX9」の約24.2mmよりも厚いが,光学12倍ズームを有する同社のコンパクト機「DMC-FZ7」(2006年2月中旬発売予定)の約79mmよりも大幅に薄くなった。光路をプリズムで曲げる屈曲光学系と鏡筒を縮めて本体に格納する沈胴光学系を組み合わせることで,光学10倍ズームでありながら薄型にできたという。有効画素数は500万画素。同社の第3世代画像処理LSIを初めて搭載した。光学式手ブレ補正機能を備える。感度をISO1600まで高める高感度モードによる撮影も可能である。

デジタル・ビデオ・カメラの技術を応用


 今回の製品では,屈曲光学系と沈胴光学系を組み合わせているため,光軸の調整に非常に苦心したという。屈曲光学系ではプリズムの配置といった光学系が複雑になる。その上沈胴光学系を利用することでさらに駆動する部分が増え,光学部品の位置精度を維持することが難しくなる。このため,プリズムの配置を工夫したり,沈胴光学系とは別のフォーカス・レンズをリニア・モータでシャフトに沿って駆動させたりして,光学部品の位置精度を高めた。

「手ブレ」の次は「レンズ」

 
 「手ブレ」の次のコンパクト機の差異化技術として「レンズ」を挙げた。その一環として28mm相当の広角レンズを備えながら,厚さ24.2mmと薄い「DMC-FX01」も開発した。焦点距離は4.6mm~16.8mmで,35mmフィルム換算で28mm~102mm相当。光学ズームは3.6倍。例えばある有力メーカーの28mm相当の広角レンズを有するコンパクト機の現行品は50mm程度あり,DMC-FX01よりも厚い。

 今回広角レンズを備えながら薄型化できたのは主に屈折率が2と高いレンズの材料を利用したため。この材料でレンズを製造すると,レンズが曇る,割れるなどの問題が生じ,従来は歩留まりが低かったという。今回は製作工程の見直しなどで大量生産を可能にした。レンズの材料は住田光学ガラスの「K-PSFn2」である(Tech On!関連記事)。

 例えばこのDMC-FX01で使用した高屈折率のレンズを,今回の光学10倍ズーム品に利用すれば,さらに薄くできるという。

 このほか,単3形乾電池で駆動できる「DMC-LS2」も発表した。有効画素数は500万画素。DMC-TZ1,DMC-FX01,DMC-LS2の発売日はそれぞれ2006年3月24日,同年3月10日,同年3月10日の予定。実売予想価格はそれぞれ約4万8000円,約4万5000円,約2万5000円とした。