富士経済は,主な白物・小物家電の生産実績と2008年までの予測について,参入企業約80社に聞き取り調査を実施した。2005年実績では,この調査の対象32品目のうち,29品目で中国が首位に立つことがわかった。

 家庭用冷蔵庫の2005年の世界生産台数は,対前年比6.3%増の7835万台だった。普及率の高い日本や西欧,北米地域の生産量は横バイから微減傾向にあるが,アジアや東欧では需要が伸びている。2008年には,世界生産台数は対2005年比12.2%増の8790万台となる見通しだ。

 生産地別に見ると,2005年はアジアが4140万台で全生産量の52.8%を占めた。このうち,中国が2690万台と34.3%を占めている。中国メーカーの生産拡大が著しいことや,日欧米メーカーが中国に生産拠点を置いていることが要因だ。メーカー別では,2005年の首位は,中国の海爾集団公司(Haier)で650万台。以下,スウェーデンElectrolux Group,米Whirlpool Corp.と続く。日本メーカーでは東芝が180万台で13位に入っている。

日本メーカーでは松下が気を吐く

 家庭用エアコンの2005年の世界生産台数は対前年比5.5%増の8000万台となった。2008年の世界生産台数は対2005年比8.8%増の8700万台を見込む。地域別にみると,2005年の生産量の85%までをアジアの生産が占め,中でも中国は79%を占めている。メーカー別には,840万台を生産した韓国LG Electronics Inc.が首位に立った。以下,中国の珠海格力集団公司(Gree),同じく中国の美的集団(Midea)と続く。日本メーカーでは,松下電器産業が450万台で5位につけた。

 家庭用洗濯機の2005年の世界生産台数は対前年比6.3%増の6800万台だった。日欧米では普及率が高く買換え需要にとどまる一方,アジア,中南米,東欧地域で新規需要が増加している。2008年には世界生産台数は対2005年比13.2%増の7700万台に達する見通し。これも中国が生産の中心で,2005年は全生産量の34.6%を占める2350万台が中国製だ。メーカー別には,Whirlpool社が首位で830万台を生産。以下,Haier社,LG社の順である。日本メーカーの最高位は松下電器産業の6位(350万台)となっている。