左から富士通,NEC,Motorola社の試作機。現行の機種をベースに試作したもので,デザインは商用時には別なものになるという
左から富士通,NEC,Motorola社の試作機。現行の機種をベースに試作したもので,デザインは商用時には別なものになるという
[画像のクリックで拡大表示]

 「3GSM World Congress 2006」の目玉の1つが,「HSDPA(high speed downlink packet access)」である。HSDPAは,現行のW-CDMA(UMTS)を拡張した移動体通信の高速データ通信規格。多くのメーカーや事業者がこの規格の対応機器や対応チップセットを出展,サービス開始が迫っていることを印象付けた。

 例えば,2006年度の上半期にサービス開始を予定しているNTTドコモは,富士通,米Motorola, Inc.,NEC製の3種類の端末試作機を出展した。会場では,試作機を使ったファイル転送や動画配信を実演した。同社が予定しているデータ通信サービスの最大伝送速度は3.6Mビット/秒。会場で実演したファイル転送では,5Mバイトのデータを16秒程度でダウンロードしてみせた。動画配信では,データ伝送速度を従来の64kビット/秒から約7倍の448kビット/秒に上げ,より解像度が高い映像を送信できることを示した。「この画質なら動画を提供してもいいだろうと考える動画配信サービス事業者が増えることを期待している」(NTTドコモ)という。