ペンタックスの2005年12月までの9カ月間における売上高は,対前年同期比3.4%増の1064億5500万円だった。営業利益は同24.2%減の32億3900万円,純利益は同49.0%減の11億7800万円と増収ながら減益の決算となった。

 デジタル・カメラなどを扱うイメージング・システム部門の低迷が続いている。営業損失9億3800万円を計上,前年同期に対して赤字幅が広がった。デジタル・カメラの販売台数は前年同期の165万台に対して204万台と伸びているものの,価格の下落と販売費用の増加でなかなか利益を出せない状況にある。デジタル一眼レフ機の販売台数は9万台だった。

 内視鏡や骨補填材などを扱うライフケア事業は好調に推移した。同事業の売上高は対前年同期比23.8%増の277億8600万円,営業利益は同61.6%増の35億7200万円である。一方,デジタル・カメラ・モジュールや微小レンズを扱うオプティカル・コンポーネント事業は,平均販売単価の下落などが響き,前年同期に対して減収減益となった。

ベトナムでレンズ増産体制

 同社は一眼レフ・デジタル・カメラ向け交換レンズなどの増産に向けて,決算発表と同日,ベトナム工場の増設を発表した。7億8000万円を投じて,ベトナムPENTAX VN Co., Ltd.の敷地内に新棟を建設する。従業員も現在の700人から900人へ増員し,レンズ生産能力を現在の100万個/月から160万個/月へ拡大する計画だ。竣工は2006年10月を予定している。

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