沖電気工業の2005年10月~12月期の売上高は,対前年同期比7.8%減の1462億3400万円だった。営業損失は17億2700万円,純損失は23億4900万円と赤字である。同社の主要3部門全てで営業損益が大きく落ち込んでいる。同社は2005年10月に公表した2005年度通期(2005年4月~2006年3月)の業績予想を撤回し,「まとまり次第開示する」とした。

 半導体部門は売上高が対前年同期比8.3%減の353億6100万円,営業損益は前年同期の43億7600万円の黒字に対して9億9900万円の赤字となった。市場は回復基調にあるものの,全般に価格下落が進んでいるという。特にP2ROMやドライバLSIといった沖電気グループの主要製品で価格下落が著しいとする。また,音源LSIやベースバンドLSIでは,新規参入メーカーの増加などで競争が激化し,数量と価格の両面でマイナスの影響を受けたとしている。

 情報通信システム部門は売上高が対前年同期比22.3%減の640億200万円,営業利益が同77.1%減の3億500万円となった。金融および官公庁の市場で,沖電気が見込んでいた大型プロジェクトに遅れや規模縮小があったという。前年度の新紙幣需要の反動などで,ATMの売り上げ回復も遅れている。

 プリンター部門の売上高は対前年同期比25.4%増の415億2300万円と伸長した。LED方式のプリンターや複合機が企業向けに売り上げを伸ばしている。ただし,カラー・プリンター市場を中心に競争が激化しており,価格が下落したことや販売投資がかさんだことなどにより,利益率は低下した。同部門の営業利益は同61.6%減の6億1900万円である。

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