外形寸法は140mm×87mm×72mm。重さ約550g。
外形寸法は140mm×87mm×72mm。重さ約550g。
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2.5インチ型液晶パネルを使用
2.5インチ型液晶パネルを使用
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光路の図解
光路の図解
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一眼レフ・システムとは。「日経エレクトロニクス」,2005年8月15日号,p.35より。この図におけるペンタ・プリズムは,今回のE-330のように複数のミラーで代用することも可能だ。
一眼レフ・システムとは。「日経エレクトロニクス」,2005年8月15日号,p.35より。この図におけるペンタ・プリズムは,今回のE-330のように複数のミラーで代用することも可能だ。
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 オリンパスは,デジタル一眼レフ・カメラ「E-330」を2006年2月下旬に発売する(ニュース・リリース)。特徴はミラー・ボックスで入射光を撮像素子と光学ファインダーに振り分ける一眼レフ・システムを採用したにも関わらず,本体背面の液晶ディスプレイを見ながら写真を撮れること。これまでの一眼レフ機は,光学ファインダーに接眼しなければ,構図を確認して写真を撮れなかった。同社の想定実売価格は約12万円。標準交換レンズが付属すると約13万円。月産予定台数は5000台である。

 E-330はコンパクト機と同様な操作を実現することで,一眼レフの入門者を取り込むことを狙った機種だが,上級者にとってもロー・アングルやハイ・ハングルの撮影が容易になる利点を備える。液晶ディスプレイが上下方向に最大135度回転するためだ。こうした特徴を持つためオリンパスはE-330を,近い価格帯で販売中のデジタル一眼レフ機「E-500」とは別系統と位置付け,両者を併売する。なお,E-330の前機種に当たる機種は,ミラー・ボックスや外観の基本設計が類似した「E-300」である(関連記事)。E-300の出荷は既に終了している。

MOSセンサとCCDを両方搭載


 撮影時の接眼を不要にするためオリンパスはE-300に,電子ファインダー用のCCDを用意した。同CCDは1/2.5インチ型の500万画素品で,9画素分の信号電荷を1画素に集約する画素加算機能を備えている。

 オリンパスがAモードと呼ぶ,通常撮影時の光路は次の通り。まず交換レンズの中に入った光は,筐体内部のミラー当たった後,2つに分かれて光学ファインダーとCCDに向かって進む。ミラーの後段に,光学ファインダーと電子ファインダー用CCDに光を分けるハーフ・ミラーを備えるためだ。ハーフ・ミラーを通過して電子ファインダー用CCDに届く光は,光学ファインダー向けの光よりも少ない。そこで前述の画素加算機能を使い,十分な信号強度を得ているという。

 液晶ディスプレイはマクロ撮影(接写)モードでも利用できる(オリンパスはBモードと呼ぶ)。このときは光学ファインダーを使えない。ミラー・ボックスのミラーを跳ね上げて,構図決めに画像記録用の撮像素子を使うためだ。光学ファインダーを使えなくなるとはいえ,液晶ディスプレイで見た方が,マクロ撮影時に問題になりがちなピント位置やピント位置以外の場所のボヤケ具合を確認しやすくなる。特にピント位置については,液晶ディスプレイ上で所望の場所を10倍に拡大してピントを確認できる。

 画像記録用の撮像素子はMOS型である。松下電器産業製とみられるが,現時点でオリンパスは製造元を明かしていない。MOS型はCMOSセンサと異なり,pMOSを用いないことで製造工程を減らした撮像素子である。ただし,その構造や特徴はCMOSセンサに似ている。

 画像記録用の撮像素子は,光学サイズが4/3インチ型。総画素数は794万。画素ピッチは,光学サイズと総画素数から5.3μm前後と計算できる。消費電力は,オリンパスが従来採用していた米Eastman Kodak Co.製のフレーム転送方式CCDの半分という。MOSセンサは+5V動作に対応した専用プロセス技術を用いて製造している。