米Texas Instruments Inc.の2005年通期(2005年1月~12月)の売上高は対前年比6%増の133億9200万米ドル,営業利益は同27%増の27億9100万米ドルだった(発表資料)。半導体部門の製造コスト削減も進んでおり,営業利益率は前年の17.5%に対して20.8%まで上昇している。

 同社president and CEOのRich Templeton氏は「創業75周年を迎えた2005年に,売上高,営業利益,営業利益率,営業キャッシュフローが過去最高に達したことをうれしく思う。4年連続でDSPやアナログ半導体の市場でシェアを伸ばすことができた」と喜びを語る。好決算を牽引したのは携帯電話機向けの需要だという。「第3世代サービス(3G)向けで10億米ドル超の売り上げを達成することができた。アプリケーション・プロセサ『OMAP』の出荷は倍増,ベースバンドLSIの出荷は3倍近くにまで増加した」(同氏)とする。

 2005年は半導体部門の売上高の約40%をアナログIC関連事業が占めた。同事業では,第1四半期に大型TFT液晶向けドライバ事業を沖電気に売却したことが減収要因となったが(Tech-On!関連記事),高性能アナログ半導体の需要増が相殺した。同じく半導体部門の売上比率40%を占めるDSP関連事業は,携帯電話機向けの需要増により,前年から売り上げを15%伸ばした。

次期も半導体部門は17%以上の増収の見込み

 なお,2005年第4四半期(2005年10月~12月)のTI社全体の売上高は35億9100万米ドルで,半導体部門の業績伸長により前年同期から14%の増収となった。半導体部門の売上高は前年同期から15%増,直前期からは3%増の32億2500万米ドルに達し,四半期売上高の過去最高を更新した。通信やエンタテインメントの分野におけるDSPやアナログ半導体の需要が旺盛だったという。

 2006年第1四半期(2006年1月~3月)の売上高は31億1000万~33億8000万米ドル程度を見込んでいる。半導体部門の売上高は30億5000万~33億米ドル程度になる見込み。2005年第1四半期は同社全体の売上高が29億7200万米ドル,半導体部門の売上高が25億9700万米ドルだった。2006年通期の研究開発費は2005年の20億米ドルに対して約22億米ドルを計画している。

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