米Gartner, Inc.が公表した速報値によると,2005年のパソコン出荷台数は対前年比15.3%増の2億1853万3000台だった。メーカー別には,市場平均以上の成長率を維持する米Dell Inc.が引き続き首位を堅持した。出荷台数は対前年比18.6%増の3676万4000台に上る。ただし,同社の成長率は2005年下期に鈍化し始めており,第4四半期は世界市場平均をわずかに上回る程度だったという。

 成長率が飛びぬけて高いのは台湾Acer, Inc.である。対前年比58.1%増の1015万4000台を出荷した。2004年に初めて市場シェアのベスト5入りを果たした同社は2005年,さらに順位を上げて第4位につけた。日本市場にも15.4インチ型TFT液晶パネル搭載のノート・パソコンを10万円を切る価格で2006年2月に投入するなど,引き続き積極的な攻勢をかけている。


パソコン世界市場シェア(左:2004年/右:2005年)

 地域別には,欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域の成長が目覚しい。同地域における2005年の出荷台数は7260万台で,米国の6720万台をしのいで,初めて世界の最大市場となった。EMEA地域では特に第4四半期に出荷が好調に推移したという。同四半期の出荷台数は2000万台以上に上り,前年同期から17.2%の成長を示した。民生向けノート・パソコンの需要が高まっているという。一方,日本のパソコン出荷台数は穏やかな成長にとどまっている。