図1 Samsung社が日本に投入する「Vodafone 804SS」
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図2 折りたたみ時の厚さは14.9mm
図2 折りたたみ時の厚さは14.9mm
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図3 今春に発売する4機種を紹介するボーダフォン 執行役副社長 コンシューマー事業統括本部長の野副正行氏(左)と同社 専務執行役 プロダクト・サービス開発本部長の太田洋氏(右)
図3 今春に発売する4機種を紹介するボーダフォン 執行役副社長 コンシューマー事業統括本部長の野副正行氏(左)と同社 専務執行役 プロダクト・サービス開発本部長の太田洋氏(右)
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 韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.製の携帯電話機が,ついに日本市場に初登場した。ボーダフォンが,2006年春商戦向け新機種として投入する,W-CDMA/GSM方式の携帯電話機「Vodafone 804SS」だ(ニュース・リリース)。

 同機種の特徴は,折りたたんだ時の厚さが14.9mmと薄いこと。「3Gの折りたたみ式携帯電話機では世界最薄」(Samsung社)という。重さも105gと,ボーダフォンの3Gケータイの中では最軽量である。「軽薄短小」とは日本メーカーのお家芸だったが,日本市場初参入のSamsung社にいきなりお株を奪われた格好だ。

 搭載する機能も日本メーカー製とまったく見劣りしない。液晶パネルは主画面用として2.3インチ,裏面に1.07インチのTFT液晶パネルを搭載する。撮像素子は130万画素,30万画素のCMOSセンサをそれぞれ搭載する。

 Vodafone 804SSは音楽機能も充実している。「着うたフル」に対応しており,背面のボタンを使って折りたたんだ状態でも音楽を再生/停止できる。本体の左右にスピーカを搭載しており,イヤホンなしでもステレオで音楽が楽しめる。このほか,WordやExcel,Powerpoint,PDFなどのファイルを閲覧できる専用ビューワを備えている。パソコンとの接続にはBluetoothやUSBケーブルが使える。

 関係者の話によると,日本市場への進出を主導したのは,ボーダフォンではなくSamsung社だったようだ。Samsung社はまず今回の機種を日本で先行販売した後,同機種を世界の市場に展開する考えとみられる。世界展開した携帯電話機を後に日本市場に投入した例としてはフィンランドNokia社の「Vodafone 702NK(Nokia 6630)」があるが,逆のケースはまれである。「日本で先行発売して世界へ展開」というかつての日本メーカーの夢に,Samsung社が挑戦する。

ボーダフォンは今春に計4機種を投入

 このほかボーダフォンは,第3世代方式の携帯電話機「Vodafone 804N」「Vodafone 904T」を同じく3月中旬以降に市場投入する。Vodafone 804Nは450Mバイトの大容量メモリを搭載するのが特徴で,最大1000曲の楽曲データを保存できる。Vodafone 904Tは今回の旗艦モデルで,320万画素のMOSカメラやFeliCa機能を備えるほか,コンテンツ自動配信サービスをはじめとする同社の3G向け新サービスにフル対応する。ただし,モバイルSuicaに対応するかどうかは未定という。第2世代のPDC方式の対応機では「V403SH」を2月中旬に発売する。