日亜化学工業は,白色発光ダイオード(LED)に関して同社が保有する米国意匠権を侵害しているとして,韓国の大手LEDメーカーであるSeoul Semiconductor Co., Ltd.の米国子会社と,米Creative Labs, Inc.,米Creative Holding, Inc.,シンガポールCreative Technology, Ltd.を,2006年1月10日に米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提訴したことを明らかにした(発表資料)。意匠権の侵害の差し止めと損害賠償を請求する。日亜化学工業によれば,対象となる白色LEDはSeoul Semiconductor社の902シリーズなど。いずれもパッケージ側面から光を放射するサイドビューと呼ばれる形状を採用し,液晶パネルのバックライトなどに搭載されるものである。Creative Labs社やCreative Holding社,Creative Technology社は,今回対象とする白色LEDを搭載したMP3プレーヤを米国に輸入し,販売していると日亜化学工業は主張する。

 今回,日亜化学工業が侵害されたと主張する米国意匠権は,「US D491,538 S」と「US D490,784 S」,「US D499,385 S」,「US D503,388S」の4件(図1)。Seoul Semiconductor社などを提訴するに当たって意匠権を対象にした理由は「白色LEDの形状を見ることで,侵害の有無を判断しやすいため」(日亜化学工業)と説明する。

図1 日亜化学が保有する米国意匠権「US D491,538」に記載されたLEDの外観
図1 日亜化学が保有する米国意匠権「US D491,538」に記載されたLEDの外観
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