「第3回東京大学学生発明コンテスト」の受賞者が決定した。最優秀賞は，医学部医学科3年の山本一樹氏が発明した「harisweet」。針刺し事故を防止する仕組みを取り入れた医療用注射針だ。最優秀賞のほかには優秀賞が2点，アイデア賞が3点，奨励賞が4点の計10点が選ばれた。

　受賞した各発明の中で唯一，最優秀賞のharisweetは特許として出願済み。公開前のためにその詳細については明らかにされていないが，「材料と構造の工夫で針刺し事故を防ぐ」（山本氏）。同氏は，試作品を自宅の台所で作製して，試行錯誤していったという。ちなみに，山本氏は今回の受賞者の中で唯一の学部生だった。

　東京大学生産技術研究所の産学連携委員会とTLO（技術移転機関）の生産技術研究奨励会が主催する東京大学学生発明コンテスト（http://hatsumei.iis.u-tokyo.ac.jp/）は，2003年に開始され今回が第3回。知的財産権を主張するトレーニングの機会を提供し，その理解を深めてもらうことを目的としている。

　 発明の名称 所属・学年 氏名
最優秀賞 harisweet 医学部医学科　3年 山本一樹
優秀賞 紫外線発行素子用酸化亜鉛基板の原子レベルでの表面平坦化技術 大学院工学系研究科応用化学専攻　博士1年 小林　篤
優秀賞 マッスルチェッカー＆アディショナルフィンガー 大学院工学系研究科精密機械工学専攻センコウ　博士2年 松下光次郎
アイデア賞 汎用巻き戻り防止バンド 大学院農学生命科学研究科応用動物科学専攻　博士2年 鹿島光司
アイデア賞 モバイルジョイントボトル 大学院工学系研究科原子力国際専攻　修士1年 代継富実偉
アイデア賞 散布型地雷探査マイクロマシン 大学院工学研究科電気工学専攻　博士1年 石田　忠
奨励賞 エバネッセント波とカーボンナノチューブとの相互作用を利用した光デバイス 大学院工学系研究科電子工学専攻　博士2年 柏木　謙
奨励賞 高空間分解能を有する磁気記録ヘッド 大学院工学研究科電子工学専攻　博士3年 才田大輔
奨励賞 水滴を除去する自助作用を有する駅構内の仕組み 大学院工学研究科電子工学専攻　博士3年 才田大輔
奨励賞 c-fos mRNA発現量を指標とした受容体機能解析系 大学院理学系研究科生物科学専攻　博士2年 池本忠弘