PSPで映像を選ぶ
PSPで映像を選ぶ
[画像のクリックで拡大表示]
PSPで再生が始まる
PSPで再生が始まる
[画像のクリックで拡大表示]
PSPの「アナログパッド」を上方向に押すと
PSPの「アナログパッド」を上方向に押すと
[画像のクリックで拡大表示]
液晶テレビで再生が継続する
液晶テレビで再生が継続する
[画像のクリックで拡大表示]
アナログパッドを下向きに押せば,映像がPSPに戻ってくる
アナログパッドを下向きに押せば,映像がPSPに戻ってくる
[画像のクリックで拡大表示]

 ソニーは,家庭内ネットワーク用のミドルウエア規格「DLNA(digital living network alliance)」の次世代仕様version 1.5を先取りしたデモを見せた。ネットワーク上にあるDVDレコーダやパソコンに格納した動画を,携帯型ゲーム機「PSP」や液晶テレビで選択・再生するだけでなく,異なる機器の間でボタン操作一つで視聴中の動画を「受け渡す」機能を実現した。同社はこのやりとりを,スロー&キャッチと呼んでいる。会場では,PSPで見ていた映像を液晶テレビに飛ばし(スロー)た後,液晶テレビから再び受け取る(キャッチ)ことで,映画を見続けるデモをした。

 ソニーによれば,「スロー&キャッチ」を実現するために,DNLA version1.5で追加される仕様を用いたという。具体的には,新たなデバイス・クラスとして規定されるレンダラ(DMR:Digital Media Renderer)とコントローラ(DMC:Digital Media Controller)を使った。前者は,動画などの再生機能のみを備える装置を想定したもの。後者は,ユーザー・インタフェースを備え,ネットワークでつながった他の機器などを制御できる装置が相当する。これまでのデバイス・クラスには,再生機能と制御機能の両方を備えるプレーヤ(DMP:Digital Media Player)や,プレーヤにコンテンツを提供するサーバ(DMS:Digital Media Server)があった。

 前述したスロー&キャッチのデモでは,あらかじめPSPにはプレーヤとコントローラ,液晶テレビにはレンダラの役割を割り当ててある。まずPSPがプレーヤとして,サーバであるDVDレコーダなどにある映像を検索し,それをストリーミング形式で受け取って自ら再生する。この映像を液晶テレビにスローするときは,PSPはコントローラとして働き,レンダラである液晶テレビを映像の出力先に指定する。これによって映像ストリームの送り先が液晶テレビに切り替わり,テレビ側で映像再生が始まる。最後に,PSPが再び自らを映像の出力先として指定することで,映像を「キャッチ」できる。

 今回のデモでは,PSPのボタン操作で映像をどの機器とスロー&キャッチするかはあらかじめ指定してある。ただし,DLNAではネットワーク上にどのような機器があるかを各機器が把握できるため,例えばPSPが赤外線通信機能などを用いてネットワーク上にある機器のうち近くにある装置を特定して,そこに映像を送るといったことが可能という。「DLNAの仕様を基にこうした機能を実装することで,製品を差別化したい」(説明員)。

 ソニーによれば,DLNA version 1.5の仕様は「2006年2月にも固まる」(説明員)。DMRなどのほかに,プリンターのデバイス・クラスなどが追加される予定という。