Silicon Image社は,リアプロの内部配線に「iTMDS」を適用する実演を行った。
Silicon Image社は,リアプロの内部配線に「iTMDS」を適用する実演を行った。
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階調が10ビットのDLPを搭載した,TI社のリファレンス・ボードである。赤線で囲ったLSIがSiT7171。
階調が10ビットのDLPを搭載した,TI社のリファレンス・ボードである。赤線で囲ったLSIがSiT7171。
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送信用IC「SiI7170」と受信用IC「SiT7171」の適用例(図:Silicon Image社)。
送信用IC「SiI7170」と受信用IC「SiT7171」の適用例(図:Silicon Image社)。
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 米Silicon Image, Inc.は,映像機器向けデジタル・インタフェース「HDMI」の次世代規格で採用される伝送技術「iTMDS」に関連する応用例の実演を「2006 International CES」で公開した。背面投射型テレビ(リアプロ)の内部配線において,階調数を10ビットに高めたHDTV画質の映像信号を1組の送信用ICと受信用ICを使って伝送し,実際に映像を表示して見せた。

 今回iTMDSを適用したのは,映像信号を再生する信号処理LSIを搭載した基板と,表示用部品の制御用LSIを搭載した基板の間のデータ伝送である。LVDS技術による既存の送信用ICと受信用ICでは,1組当たり階調数は8ビットの帯域幅しか得られない。このため階調数を10ビットに高める際に,3組の送信用ICと受信用ICを用いて伝送していたという。これが1組で済むため,ICやケーブル,コネクタの価格を減らせる。ケーブル本数は14対から4対に減らせるため,スペースの削減にもつながる。

 Silicon Image社の送信用ICと受信用ICは,テレビの内部伝送への適用を想定したもの。ただし今後,筐体の外部伝送に階調数が10ビットのHDTV信号が利用されるようになった場合には,やはりiTMDS対応の送信用ICと受信用ICを展開する方針という。実際にSilicon Image社が参画するHDMIの標準化団体は,そのHDMIの次世代規格にiTMDSを採用する方針を2006年1月3日に発表している(HDMIのWWWサイト)。なお次世代規格は,パソコンなどのディスプレイに向けた新デジタル・インタフェース規格「unified display interface(UDI)」と互換性を確保する(Tech-On!の関連記事)。

 Silicon Image社は今回の実演に送信用IC「SiI7170」と受信用IC「SiT7171」を適用した。10ビットの階調数を備えたリアプロの表示装置には米Texas Instruments Inc.(TI社)のDLP(Digital light processing)を使った。なおTI社は現在,階調が10ビットのDLPを搭載した顧客向けリファレンス・ボードに,Silicon Image社のSiT7171の搭載をしている。