Alereon社のWiMedia用RFチップを使ってBluetoothのアプリケーションの指示による高速データ伝送を実行した
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480Mビット/秒を選択
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Freescale社のDS-UWB用送受信モジュールを使った場合の実演の様子
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 米Open Interface North America,Inc.は,UWBを物理層に使ってBluetooth用アプリケーションを実行するための専用プロトコル・スタック・ソフトウエアを開発,CESの会場で動作を実演した(関連ニュースリリース)。

 現行Bluetoothは,周波数ホッピング方式のスペクトラム拡散技術によってデータ伝送を行っている。これをUWBによる伝送に適応的に切り替えることで,データ伝送速度を最大480Mビット/秒に高める。同社は開発した制御手法を,策定中の高速板Bluetooth仕様(いわゆるBluetooth 3.0)のコア技術として提案を進めていく予定。

 2種類のUWB伝送方式であるDS-UWBとWiMedia(マルチバンドOFDM)の両方に対応する。「物理層にどのようなUWB伝送方式を使おうとも,現行のBluetoothアプリケーションを実行できる。これまでのソフトウエア開発資産を生かし,かつ高速版Bluetoothへのスムーズな移行が可能になる」(米Open Interface North America,Inc. CEOの佐川明美氏)。CES会場では,米Freescale Semiconductor Inc.とDS-UWBを物理層に使ったシステムを,そして米Alereon,Inc.とWiMediaを物理層に使ったシステムを動展示した。WiMediaを物理層に使った場合,最大480Mビット/秒のデータ伝送が可能になる。

 Open Interface社は,UWB上でBluetoothを実行するプロトコル・スタック群を「BLUEtusk」と呼ぶ。BLUEtuskでは,伝送するデータの容量などによってBluetoothの物理層とUWBの物理層を適応的に切り替える機能を実現している。具体的には,Bluetoothのデータ・パケットとUWBのデータ・パケットに適切なタイム・スタンプやチャネル番号を付加し,時間軸上に順序良く並べるための「channel mux/demux」というソフトウエアを,L2CAP層とHCI層の間に設ける。BluetoothのRF回路とはHCIを介して,そしてUWBのRF回路とはTCP/IPのスタックを介して接続する。これにより,例えばUWBの場合にはTCP/IP層の下位の伝送方式によらず制御できるようにした。機器認証などのやりとりはBluetoothを介して行い,実際に動画データなどの大容量データを伝送する際にUWBを使うといった形でデータを送受信できる。