次期STBの納入などで合意したことを発表するSamsung Electronics社とComcast社の代表
次期STBの納入などで合意したことを発表するSamsung Electronics社とComcast社の代表
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米国時間の1月4日に発表を行った松下電器とComcast社の首脳陣
米国時間の1月4日に発表を行った松下電器とComcast社の首脳陣
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 韓国Samsung Electronics Co., Ltd.は米大手ケーブルテレビ事業者のComcast Corp.に対し,OpenCable Application Platform(OCAP)対応のデジタル・セットップ・ボックス(STB)を提供することで正式に合意した。「2006 International CES」で記者発表を行って明らかにしたもの。

 2007年以降,Samsung社は20万台のSTBをComcast社に納入する。場合によっては追加でさらに50万台を納める可能性もあるという。Samsung社によると,これをもって同社として始めて米国のSTB市場に本格参入することになるという。さらに,このSTB以外でも,今後両社はプラットフォームの開発などで協力していくという。

 Comcast社に納入するSamsung社のSTBは,Comcast社が「RNG」と呼ぶ次世代のSTB群の中の1つになる。RNGでは,今回の発表の1日前に松下電器産業が「Comcast社にOCAP対応のSTBを25万台納入することで合意した」と発表したばかり。なお,松下電器が納入予定のSTBは,3つのチューナを備え,容量250Gバイト以上のHDDを搭載し,同HDDにHDTV画質での録画が可能という高機能なタイプである。MPEG-2はもちろん,H.264などの復号化などにも対応する。Comcast社と松下電器は,OCAPのミドルウエアをComcast社にライセンスすることも同時に発表した。両社は2004年9月にも関連するニュース・リリースを出している。

 一方,Samsung社のSTBは,SDTV画質のMPEG-4やH.264,MPEG-2の復号化に対応するタイプだという。DOCSIS 2.0対応のケーブル・モデムやUSB 2.0のインタフェースも備えている。Comcast社はH.264の復号化機能をどのように使うかを明らかにしていないが,インターネットから取得したH.264形式の動画データをSTBで再生してテレビ受像機に表示するとか,STBと携帯型AV機器などを連携させる用途などに向けるといった方向で検討中という。Comcast社はSamsung社のSTBの価格を公開しなかったが,RNGの中でも比較的低価格なSTBになると見られる。