CEAのまとめによる米国家電市場(金額ベース)
CEAのまとめによる米国家電市場(金額ベース)
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FPD(図中のFlat)やプロジェクタ(同Projection),ブラウン管(同DV CRT)で分類した,米国のテレビ受像機市場(金額ベース)
FPD(図中のFlat)やプロジェクタ(同Projection),ブラウン管(同DV CRT)で分類した,米国のテレビ受像機市場(金額ベース)
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次世代光ディスク・プレーヤ(単体の再生専用機のみ)の米国市場における台数ベースの動向(CEAによると図中の「Thousands of units」は誤り。記事本文中の数字を参照)。
次世代光ディスク・プレーヤ(単体の再生専用機のみ)の米国市場における台数ベースの動向(CEAによると図中の「Thousands of units」は誤り。記事本文中の数字を参照)。
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 「2006 International CES」の主催者である家電業界団体,Consumer Electronics Association(CEA)は,金額ベースの米国家電市場の規模が2006年に1354億米ドルに拡大すると見込んでいる(発表資料)。2005年の1259億米ドルに対し,7.5%の成長率である。

 この成長率は順調とはいえ,2004年—2005年の11.3%に比べると低下する。CEAのIndustry Analysis担当DirectorであるSean Wargo氏は,低下の一因としてデジタル家電,特にフラットパネル・ディスプレイ(FPD)製品の価格破壊があると考えている。例えばPDPテレビの価格は2005年に30%下落,液晶モニタは35%下落したが,2006年にも同様の傾向が続くという。

 単価の問題はあるものの,テレビ受像機をFPDやリア・プロジェクタなどに買い換える動きが今後も加速する。2006年には,FPDやプロジェクタのテレビは売り上げベースで米国市場の約2/3を占めるようになるとCEAは見る。「FPDテレビの価格破壊は深刻だが,視点を変えてみると,消費者は極めて低価格なCRTテレビの代わりに,その数倍のお金を出してFPDテレビを買い始めてくれたとも考えられる。2006年には,単価低下と消費者の購買額の増大という複合的な動きがさらに進むことになろう」(Wargo氏)。

 一方,同氏は家電業界が期待している次世代光ディスク・プレーヤについては厳しい見方を示した。単体のプレーヤの出荷台数は2006年にわずか60万台,2009年になっても410万台と,比較的鈍い立ち上がりになると考えている。

 この数字は,単独の再生専用機に限ったもので,ソニー・コンピュータエンタテインメントの次世代ゲーム機「プレイステーション 3」や,パソコンが搭載する光ディスク装置の数は含んでいない。これらを入れれば,出荷台数はもっと大きくなる。しかしWargo氏は,それでも厳しい見方を崩さない。「次世代光ディスクの規格争いが続いているが,本当の競争相手は別のところにいるのではないか」(同氏)。ブロードバンドが普及し,光ディスク媒体ではない方法で一般消費者がHDコンテンツを手にする日が近いと指摘する。「音楽で起きた動きは先駆けで,近いうちに必ず消費者は動画コンテンツのダウンロードになじむだろう」(Wargo氏)。