送受信モジュールの外形寸法は,12mm×14.5mm×1.6mm
送受信モジュールの外形寸法は,12mm×14.5mm×1.6mm
[画像のクリックで拡大表示]
会場でデモも披露
会場でデモも披露
[画像のクリックで拡大表示]

 米Staccato Communications,Inc.は,2006年1月3日,最大データ伝送速度が480Mビット/秒を超える高速無線インタフェース規格「Certified Wireless USB」(以下WUSB)に向けた1チップの送受信ICを発表した(PDF形式のニュースリリース)。2006年1月5日から開催予定の「2006 International CES」のプレ・イベント「CES Unveiled」でICの動作を実演した。

 RFトランシーバ回路とベースバンド処理回路,およびMAC制御回路を1チップのCMOS ICとして実現した。WUSBに関しては,これまでも1チップのRFトランシーバICや同MAC制御LSIなどが発表されていたが,MAC制御からRFトランシーバ回路まで1チップに統合化したICが発表されるのは今回が初めてになる。Staccato社は同チップを既に一部のメーカーにサンプル供給しており,2006年第1四半期ころから本格的にサンプル出荷を開始するという。量産出荷時期は,他社チップとの相互接続性試験や認証ロゴの取得が終わる2006年中ころを見込んでいる。

 WiMedia規格に準拠したマルチバンドOFDM方式でデータを送受信する。チップの製造には,富士通の110nmルールのCMOS製造技術を用いた。RFトランシーバ回路とMAC/ベースバンド回路のほか,送受信スイッチや整合回路,帯域通過フィルタなども集積している。このチップを中心とする送受信モジュールも開発した。送受信モジュールは,低温焼成のセラミック基板(LTCC)技術を使っている。LTCC基板はTDKが製造する。Staccato社は送受信モジュールの消費電力について「480Mビット/秒のデータ伝送速度でデータを送信した時には,最大で800mW程度になる。ただし,平均はもっと低くなる」(同社の説明員)とする。利用する周波数帯は3.1GHz~4.8GHzである。