ヤマハは,同社が携帯電話機向けに提供している音源LSI「AudioEngine(MA-7シリーズ)」向けのコンテンツ作成ツール「ATS-MA7-SMAF」「SCAS-MA7-SMAF」の提供を始めた(発表資料)。具体的には,ヤマハが着信メロディ用に開発した「SMAF(synthetic music mobile application format)」形式のファイルを作成するための編集ソフトウエアである。提供を始めたツールは,いずれも同社の WWWサイトから無償でダウンロードできる。同社の英語・中国語・韓国語のWWWサイトからのダウンロードは,2006年初頭から順次始めるという。

2種類のツールのうちATS-MA7-SMAFは,現行のATS-MA5-SMAFの後継版に当たり,いくつかの機能を追加した。具体的には,最大67の同時発音や3次元の音源位置制御機能などである。音源位置制御では,4個の音源を前後,左右,上下に移動するように設定できる。それぞれの音源は,独立して動かすことが可能となる。

もう1つのSCAS-MA7-SMAFは,メロディに加えて画像とテキストを同期しながら再生できるようにするファイルを作成するツールで,現行のSCAS-MA5-SMAFの後継となる。SCAS-MA5-SMAFが備える機能に加え,SCAS-MA7-SMAFには人間の声を模擬合成できる「HV-Script」 の作成や貼り付け,wavやaifなどのオーディオ・ファイルのインポートができるようにした。

 ヤマハのAudioEngineを載せた機種は,同社の WWWサイトで閲覧できる。SMAFが再生できるのは,KDDI,ボーダフォン,ツーカー・グループの機種となる。NTTドコモの機種にもヤマハの音源LSIを搭載するものがあるが,SMAFとは別のファイル・フォーマットを採用しているため対象外である。