AirCard 860
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 カナダSierra Wireless社は,W-CDMAの下りリンクを高速化する「HSDPA(high speed downlink packet access)」の送受信用PCカードを米国で発売開始した(ニュースリリース)。

 米最大手の携帯電話事業者であるCingular Wireless社が販売する。Cingular社が2005年12月から開始した,HSDPA利用の高速データ通信サービス「BroadbandConnect」に向けたもの。BroadbandConnectは,米カリフォルニア州サンディエゴやサンフランシスコ/サンノゼ,ネバダ州ラスベガス,ワシントン州シアトルなど16都市でサービスが始まり,2006年中にさらに順次地域を拡大していくという( BroadbandConnect のホームページ)。

 HSDPAは第3世代移動体通信システムとして規格化が進められたW-CDMAの機能拡張方式であることから,第3.5世代のシステムとも呼ばれる。Cingular社はこれまでにサービス実験を米国内で進めていた。HSDPAの大規模商用サービスが米国で開始されるのは今回が初めて。Cingular社は今後,HSDPAに対応した携帯電話機の発売も予定している。

 Sierra Wireless社が発売するのは,HSDPAおよびEDGE/GPRSに対応するPCカード「AirCard 860」。HSDPAモードにおける下りリンクのデータ伝送速度は,平均400k~700kビット/秒,最大1.8Mビット/秒とする。EDGEモードにおいては,平均70k~135kビット/秒である。なおHSDPA/UMTSでは850MHzおよび1900MHz帯に,EDGE/GPRSでは850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHz帯のクアッド・バンドに対応する。Cingular Wireless社は同PCカードを,2年契約を条件に99.99米ドルで販売している。