屋外用のアクセス・ポイント「Wireless Access Point 7220」
屋外用のアクセス・ポイント「Wireless Access Point 7220」
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台北市内の街灯に取り付けられたアクセス・ポイント(写真提供:ノーテルネットワークス)
台北市内の街灯に取り付けられたアクセス・ポイント(写真提供:ノーテルネットワークス)
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 カナダNortel Corp.の日本法人ノーテルネットワークスは,無線LAN端末とアクセス・ポイントだけでなくアクセス・ポイント間も無線で接続する無線LANシステム「ワイヤレスメッシュネットワーク」の国内販売を始めた。

 現在オフィスやホット・スポットなどが導入する無線LANシステムのほとんどが,アクセス・ポイントから先(幹線側)は有線(主にLAN用の銅線)で接続している。ワイヤレスメッシュネットワークの利点は,ネットワークの構築費用を下げられること。配線費用が省けるほか,オフィス・レイアウトの変更などにも簡単に対応できる。同システムは隣接するアクセス・ポイントを自動的に検出する機能を備えており,こうした機能もコスト削減に寄与している。

5GHz帯は幹線に,2.4GHz帯は足回りに

 ノーテルが提供するシステムでは,アクセス・ポイント間の接続に5GHz帯のIEEE802.11aおよび同11j,アクセス・ポイントと端末間の接続にはIEEE802.11bおよび同11gを利用する。構成製品は,アクセス・ポイント「Wireless Access Point 7220/7215」と有線接続用のゲートウエイ「Wireless Gateway 7250」,管理装置「Enterprise Network Management System」である。

 無線LANで不安視される不正盗聴などへの対策としては,アクセス・ポイントとゲートウエイ間に暗号化プロトコルのIPsecを採用している。ルーティング・プロトコルは「OSPF(open shortest path first)」を採用,アクセス・ポイントの障害時などには自動的に迂回経路を設定する。

 2005年12月7日に開催した記者会見では,台湾などでの導入事例を紹介した。それによると,台北市では2006年末までに1万台のアクセス・ポイントによる無線LANネットワークを市内に構築する予定という。アクセス・ポイントは,信号や街灯,地下街の天井などに設置する。人口カバー率は90%に上り,WWWサイトの閲覧やIP電話,防犯監視,ビル・メンテナンスなどに利用する。

 メッシュ型の無線LANについては,IEEEの作業グループIEEE802.11sが現在標準化作業を進めている(Tech-On!の関連記事)。Nortel社が今回発売したシステムは独自仕様を採用しており,他社製ヒントの互換性はない。