2005年第3四半期の携帯電話機の国内出荷台数は対前年同期比7.2%減の1027万台にとどまった。IDC Japanが報告したもの。2四半期続けて前年実績を下回ったことについて同社は,(1)需要を牽引する際立ったヒット端末が登場しなかったこと,(2)通信事業者各社が端末調達計画の見直しを行い,その数量の絞り込みの影響から需要が縮小傾向に向かったことなどが主因とみている。

 メーカー別シェアでは,シャープが首位に立った。一部の通信事業者に大きく依存することなく,NTTドコモ向けにも,ボーダフォン向けにも,3G端末を中心に安定的に新機種を連続投入していることなどが成長の要因とIDCでは分析する。2位から4位までは混戦状態となり,前回3位だったNECが順位を1つ上げて2位に,前回4位の東芝は,au/KDDI向けに人気端末を連続出荷していることもあって3位に浮上した。一方,前回首位に返り咲いたパナソニック モバイルコミュニケーションズは,2005年前半の勢いを維持できず,4位に落ち込んだ。

●2005年第2四半期と第3四半期における国内携帯電話機の出荷シェア

 第3世代サービス対応端末(3G端末)への移行は引き続き進んでおり,出荷占有率は79.7%まで上昇した。IDCでは今後もこの占有率は上昇し,第4四半期には90%前後にまで上昇すると予測している。2005年下期の出荷台数については,現時点で既に一部,新規3G端末の出荷に遅れが生じていることもあり,通年の出荷量は前年並み,あるいは前年実績を下回る可能性もあるとIDCはみている。