ウィルコムは,次世代PHSシステムを想定した無線局の実証実験に対する予備免許を総務省から取得した。予備免許では屋内での機器のテストなどが可能になる。2006年明けには,屋外での通信実験ができる実験局免許を取得できる見込みという。実証実験の期間は1年程度を予定する。

 今回ウィルコムが実証実験に使う無線システムは,米Adaptix,Inc.の無線機器。この無線機器で利用する無線アクセス方式「OFDMA」(orthogonal frequency division multiple access)を検証するのが目的である。

 OFDMAは,米Intel Corp.が主導する無線仕様「モバイルWiMAX」でも採用が固まっている。Adaptix社はモバイルWiMAXの推進団体「WiMAX Forum」のメンバーで,同社の無線機器を「プレモバイルWiMAX仕様」と称している。

 ウィルコムは今回の予備免許を,2.3GHz帯で取得した。同社の現行PHSシステムが利用する1.9GHz帯と,モバイルWiMAX向けの候補となっている2.5GHz帯との間にあたる。

 次世代PHSシステムとは,モバイルWiMAXのことを指すのかという日経エレクトロニクス誌の問い合わせに対して,ウィルコムは「伝送性能の検証と合わせて,それ自体も今回の検討材料」(同社)と回答した。