独Infineon Technologies AGの2005年度(2004年10月~2005年9月)通期決算は,売上高が対前年度比6%減の67億5900万ユーロだった。税引前損失(LBIT)は1億8300万ユーロで,前年度の2億5600万ユーロの税引前利益(EBIT)から赤字に転落した。純損益ベースでも,前年度の6100万ユーロの黒字から,今年度は3億1200万ユーロの赤字となった。1株当たり損益は,前年度の0.08ユーロの黒字に対し,今年度は0.42ユーロの赤字である(発表資料)。

通信機器向け半導体が18%減収

 減収の大きな要因となったのは,通信機器向け半導体部門の不振である。同部門の売上高は対前年度比18%減の13億9100万ユーロと大幅減収を記録した。携帯電話機メーカーからの部品の引き合いが前年度より減少したことと,以前から引き続いて単価の下げ圧力が強いことが原因としている。同部門の税引前損失は前年度の4400万ユーロから2億9500万ユーロへ悪化した。

 自動車・産業・マルチ市場部門の売上高は対前年度比1%減の25億1600億ユーロとほぼ横ばいだったが,税引前利益は前年度の2億5200億ユーロから47%減の1億3400億ユーロへ大幅に減少した。ミュンヘンのペルラッハ工場の閉鎖に伴う移転費用や,マレーシアのクリム工場の新設に伴う設備投資などが響いたとしている。

 メモリ部門の売上高は対前年度比3%減の28億2600万ユーロ,税引前利益は同28%減の1億2200万ユーロだった。ビット単価が前年度より約30%下落したことに加え,ユーロに対する米ドル安に伴い為替差損が発生したこと,研究開発投資の増加などを要因として挙げている。なお,同社は2006年7月をメドに,メモリ部門を分離して別会社化する意向を表明している(Tech-On! 関連記事)。

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