【ET2005】NTTドコモ,携帯電話機のプラットフォーム「MOAP」を語る
NTTドコモ移動機開発部のソフトプラットフォーム開発担当 担当部長の照沼和明氏は,組み込み技術の専門イベント「ET(Embedded Technology)2005」のテクニカルセッションで,同社が「FOMA」向けに開発したソフトウエア・プラットフォーム「MOAP(mobilephone oriented application platform)」について解説した。
MOAPが導入されるまで,NTTドコモが販売する携帯電話機のOSはメーカーごとにバラバラであり,似たようなOS機能の拡張や共通アプリケーションの開発を各メーカーがそれぞれ行う必要があるなど,ソフトウエア開発効率がとても低くなっていた。MOAPは,これを問題視したNTTドコモが,OSを2種に集約したり,ソフトウエア開発ツール(SDK)を提供したりするなどして,ソフトウエア開発効率の向上を狙ったものである。具体的には,中核になるOSとミドルウエア,および共通アプリケーション・ソフトウエアで構成する。
Symbian版とLinux版の2種類
MOAPには,中核になるOSに応じて,「MOAP(S)」と「MOAP(L)」がある。Sは英Symbian Ltd.の「Symbian OS」,LはLinuxの略である。現在,富士通と三菱電機がMOAP(S),NECと松下電器産業がMOAP(L)をベースとする携帯電話機を発売済みで,2005年11月の時点では19機種がMOAPベースとなっている。最新機種シリーズの「FOMA 902i」以降,シャープとソニー・エリクソンモバイルコミュニケーションズもMOAP(S)を採用することになっている。
照沼氏によると,MOAP(L)の開発は「携帯電話機向けの機能を一から作るなど,立ち上げ時に相当苦労した」という。Symbianはもともと携帯電話機向けに開発されたものだが,Linuxは開発経緯が異なっており,電話機能の追加や省電力設計などに変更するのに相当手間がかかった様子である。その代わり,MOAP(L)にはデジタル家電機器などとのソフトウエアの相互移植性を期待しているとした。
セッションでは,MOAP(S)およびMOAP(L)のSDKを紹介した。SDKでは,通話中あるいは呼び出し中など無線部の状態を示したウインドウや端末表示部のウインドウ,電池残量など装置状態を監視するウインドウなどを表示し,実機がなくても実際のボタン操作などをシミュレートできる。
「CE Linux Forum はMOAP(L)ベースにAPIを策定中」
講演の最後には,いくつかの団体による携帯電話機向けLinuxの取り組みを紹介した。CE Linux Forumは「Mobile Phone Profile WG」を設置し,APIを策定中だという( Tech-On!の関連記事1 )。同WGには,NECやパナソニック モバイル コミュニケーションズのほか,米Motorola Inc.,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.が参加しているが,MOAP(L)をベースにした開発を進めていると報告した。CE Linux Forum以外には,通信事業者が参加するLinux Phone Standards Forum (LiPS)や米MontaVista Software, Inc.のMobilinux Open Framework (MOF)などを取り上げた。
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