富士経済は,家庭用燃料電池の市場規模が2020年に3075億円に達するとの予測を明らかにした。燃料電池市場について2005年8月~10月に関連企業への聞き取り調査を行い,これに基づいて予測したもの。2004年は13億円と推計される家庭向け固体高分子型燃料電池(PEFC)の市場規模は2020年に3000億円へ,2004年は1000万円にとどまっている固体酸化物型燃料電池(SOFC)は2020年に75億円へ成長する見通しだという。

 家庭用PEFCは,現状では製造コストは1台あたり800万~1000万円程度といわれており,コスト削減が普及への課題となっている。2008年度の次世代機の開発にあたっては,補機類の仕様の共通化や高温作動,制御方法の見直しなどによってコスト低減を図る方向で,1台あたりの製造コストは250万円程度になると富士経済はみている。2010年には製造コストを120万円程度に抑え,補助金によりユーザー負担をカバーすることで,一定の需要が確保されると予測した。

 一方,家庭用SOFCは,2007年度から2008年度にかけて数十台レベルで実証実験が開始される見通し。スタックは量産化により低価格化が進むとみられるが,普及価格帯となる75万~80万円を達成するためには補機コストの低減が必要になると富士経済は指摘する。2020年には1万台程度が普及すると予測している。