ケンウッドの2005年度中間決算(2005年4月~9月)は,売上高が対前年同期比1.9%増の900億6900万円,営業利益は同12.2%減の35億3500万円と,増収ながら減益に終わった(PDF形式の発表資料)。第1四半期を増収増益で終えた同社だが,第2四半期に収益が悪化した。

 減益はカー・エレクトロニクス事業の収益悪化によるもの。同事業の売上高は対前年同期比2.6%増の541億9600万円だったが,営業利益は同64.3%減の7億9300万円と落ち込んだ。営業利益率は,前年同期の4.2%に対して1.7%まで低下している。同社はこの減益について,「市販カー・オーディオ市場の競争激化に伴って販売費用などが増加したこと,OEM製品の来期以降の出荷拡大に向けた開発,設計,試作の先行投資が予想以上にかさんだことが原因」(同社広報)としている。市販カー・オーディオは,市場が縮小する中で売り上げは前年並みを確保できているという。

ホーム・エレクトロニクスは下期単体で黒字に

 ホーム・エレクトロニクス事業は減収ながら赤字幅は縮小した。ホームシアター関連製品の競争激化を受けて前期に海外向け事業を縮小した効果があったとする。売上高は対前年同期比7.3%減の75億3900万円,営業損失は前年同期の15億4000万円に対して8億9100万円だった。一方,同社が今後の主力製品と位置づけた国内向けのオーディオ事業は据置型,携帯型ともに堅調に推移したという。2005年度は,「通期では赤字になるが,下期単体では黒字化できる見通し」(同)としている。

 同社は通期(2005年4月~2006年3月)の業績予想を修正した。カー・エレクトロニクスのOEM事業の売り上げ拡大を受けて売上高の予測に50億円,上乗せした。一方で,在庫の見直しによる評価損などにより,経常利益の予測を50億円,引き下げている。売上高は対前年度比2.1%増の1800億円,営業利益は同41.6%増の100億円,経常利益は同4.2%減の45億円,当期純利益は同24.1%増の60億円を見込む。同社の主力製品である市販のカー・オーディオは第4四半期に売り上げ,利益ともに最大化する季節傾向にあり,下期は大幅増益を見込んでいる。

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