共同印刷は,透明で内容物の保護に優れたプラスチック製耐熱ボトルを開発した。ボトルに採用した樹脂は,ポリエチレンナフタレート(PEN)を含む共重合ポリエステル。PENが持つ耐熱性や紫外線遮断性,耐薬品性といった特性を維持しつつ,ヒートシール性と耐落下衝撃性を付与した。これまで,この種の耐熱ボトルは,プラスチック包装容器では実現困難とされていた。

 同社はこれまで,この樹脂をシート成形することにより耐熱容器として販売してきたが,今回新たに成形加工性を改善しブロー成形によるボトル化に成功した。新しいボトルの耐熱性は,高温充填や充填後の熱処理が可能になる約100℃。従来のポリエチレンテレフタレート(PET)やPENのボトルに比べて高い上,特に70℃を超える高温下で優れた耐薬品性や非吸着性を発揮する。このため内容物の保護に適し,従来のPETボトルが抱えていた,60~70℃を超えると中身の色素や成分が吸着される,微細なクラックが発生するといった問題を解消できる。

 成形性の改善により,低い温度で押出しが可能になった。結晶化が遅いため,容易に透明な容器を成形できる。ほかにも,(1)約380nm以下の紫外線カット(2)ヒートシール性によるバージンシール(3)リターナブル(4)PETとのリサイクル──が可能といった特徴を持つ。同社では今後,新しいボトルを化粧品や食品,医療・医薬品分野を中心に販売していく。