図1:外観
図1:外観
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図2:「N902i」とソニーの「Q016-WE1」は,基本的に同様な手順で手振れを補正する(出典:Q016-WE1について報じた日経エレクトロニクス 2003年6月23日号の記事より)。
図2:「N902i」とソニーの「Q016-WE1」は,基本的に同様な手順で手振れを補正する(出典:Q016-WE1について報じた日経エレクトロニクス 2003年6月23日号の記事より)。
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図3:手ブレ補正を無効にした場合。クリックすると試作機で撮った2304×1728画素のJPEGファイルを表示します。
図3:手ブレ補正を無効にした場合。クリックすると試作機で撮った2304×1728画素のJPEGファイルを表示します。
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図4:手ブレ補正を有効にした場合。クリックすると試作機で撮った2304×1728画素のJPEGファイルを表示します。
図4:手ブレ補正を有効にした場合。クリックすると試作機で撮った2304×1728画素のJPEGファイルを表示します。
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 NTTドコモは,静止画の手ブレを補正する機能を「国内で初めて」(製造元のNEC)備えたカメラ付き携帯電話機「FOMA N902i」を,2005年11月18日に発売する(製品紹介ページ)。撮像素子の有効画素数は約200万だが,画素補間処理によって400万画素の静止画を得られる。手ブレ補正は電子式である。デジタル・カメラで一般的な,レンズを機械的に動かす光学式ではない。

 具体的には,次のように補正する。まず,ユーザーがシャッター・ボタンを1度押し込むと,今回のカメラは自動的に4枚撮影する。つまり,各画像は露出不足だが,シャッター・スピードが速いので手ブレの少ないものとなる。これらを後段で重ね合わせる。重ね合わる前に,4枚のそれぞれの画像について特徴点抽出処理を行っておく。これを基にズレないよう重ね合わせる。こうした方式を撮ったデジタル・カメラとして従来は,ソニーのQUALIAブランド製品「Q016-WE1」があった(Tech-On!関連記事1同2)。

 N902iで400万画素の静止画を撮った場合,手ブレ補正には画素補間処理を施す前の200万画素の画像を4枚用いる。つまり,サイズの大きい4枚の画像について特徴点を抽出するという,負荷の大きな処理を実行するが,手ブレ補正に要する処理時間は数秒である。こうした処理速度を得る上で,「新しい画像処理用LSIを採用したことが貢献した」(同社)という。

 このほかN902iは,「おまかせデコメール」といった新規性のある機能も備えている。携帯電話機側からHTML形式の電子メールの内容に合った文字色やイラストを提案することで,ユーザーの手間を軽減する。電子メールの内容は,「感情理解エンジン」と呼ぶソフトウエア・モジュールを用いて分析している。

■お詫びと訂正
記事の掲載当初,「米Texas Instruments Inc.の『OMAP』は搭載しなかったもよう」と記載していましたが,NECよりOMAPを利用しているとの申し出を受けました。本文はこれに沿って当該部分を修正済みのものです。また,手ブレ補正の仕組みについて,より適切な表現に変更しました。以上,お詫びして訂正いたします。
■申し入れ
手ブレ補正の画像処理に要する時間や,その短縮に貢献した部品について,不十分だった説明を補足する申し入れをNECより受けました。本文はこれにしたがって変更してあります。(11月14日)