ESPNのロゴが目立つ端末に
ESPNのロゴが目立つ端末に
[画像のクリックで拡大表示]
「スポーツ・ファンに向けたデザイン」としている
「スポーツ・ファンに向けたデザイン」としている
[画像のクリックで拡大表示]

 アメリカン・フットボールなどスポーツを中心にエンターテインメント系番組を多く手掛ける米放送局「ESPN」は,同社が米Sprint PCS社のインフラを借りて行う(いわゆるMVNO)携帯電話サービス「Mobile ESPN」を2006年2月から開始する方針を明らかにした。米最大のスポーツ・イベントの一つである「NFL Super Bowl」の開催までに,端末を出荷する狙い。同社は2005年9月27日から米サンフランシスコで開催中の「CTIA Wireless I.T. & Entertainment」において,三洋電機が開発した専用携帯電話機の試作機を初公開した。

 三洋電機が開発した端末は,QVGA対応の2.1インチ型カラー液晶パネルを搭載したクラムシェル型の端末で,名称は「MVP」。CDMA2000 1x Ev-DOのネットワークに対応しており,ESPNの動画コンテンツを携帯電話ネットワーク経由でストリーミングにより視聴できる。端末はブラックをベースにしながらESPNのシンボル・カラーであるレッドを多用するなど,「ESPNファン」への訴求を強く意識したデザインとなっている。このほか130万画素のカメラ機能やMP3/AACに対応する音楽プレーヤ機能,動画撮影機能などを盛り込み,エンターテインメント要素の強い端末に仕立てている。

 MVPでは,ESPNの各種コンテンツに少ないボタン操作でアクセスできるような工夫を盛り込んである。試合中継のハイライトや,リアルタイムの試合結果,選手やチームの情報,ESPN解説者による試合へのコメント,スポーツ関連ゲームなどの選択をスクロール画面の操作で実現できる。同社はCTIAの会場ブースで試作機を公開し,動画コンテンツを受信できることをアピールした。ただしコンテンツ選択用のスクロール画面や,動画表示画面などはまだ試作にとどまるとし,写真撮影は許可されなかった。

 ESPNは米The Walt Disney Company傘下の放送局。なおWalt Disney社も2006年に「Disney Mobile」という名称の携帯電話サービス事業の開始を予定している。Mobile ESPNがスポーツ・ファン向けであるのに対し,Disney Mobileはファミリー層向けのサービスになると見られている。Mobile ESPNの料金体系などは追って発表するという。