図1 試作品が目標とする仕様(KDDIのホームページより抜粋)
図1 試作品が目標とする仕様(KDDIのホームページより抜粋)
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 KDDIは,燃料電池を内蔵した携帯電話機の試作品を2005年10月4日に開催する「CEATEC JAPAN 2005」で展示する(図1)。同社は2004年7月から携帯電話機向けの燃料電池を東芝と日立製作所とそれぞれ共同開発しており,今回のCEATECには東芝製と日立製作所製の2種類の試作機を出品する。なお,2005年7月に開催された「ワイヤレスジャパン2005」では,外付け型の携帯電話機向け燃料電池の試作機を披露していた(Tech-On!の関連記事)。

 今回出展する内蔵型燃料電池は両者ともパッシブ型のダイレクト・メタノール方式で,携帯電話機に搭載しているLiイオン2次電池と組み合わせて携帯電話機に電源を供給する。東芝と共同開発した試作品は,東芝製「A5509T」がベースで,Liイオン2次電池を搭載する背面に燃料電池を内蔵した。KDDIは既にこのモックアップをワイヤレスジャパン2005に出展していたが,実際に動作する試作機は初めての披露となる。

 携帯電話機の閉じた状態の外形寸法は50mm×98mm×40mm。燃料となるメタノールの濃度は99.5%。燃料タンクの容量は7mLである。出力は300mWとなる。燃料のメタノールを1回充填した状態で電池容量は,従来のLiイオン2次電池の2.5倍まで高められるという。

 一方,日立製作所と共同開発した試作品は,日立製作所製「W32H」がベースで,サブ液晶画面を配置する部分に燃料電池を搭載した。携帯電話機の閉じた状態の外形寸法は50mm×98mm×25mm。燃料となるメタノールの濃度については60%以下としており,詳細は明かしていない。燃料タンクの容量は3mL。出力は最大で300mWとしている。