本体の重さは約2.4kg。交換レンズやマイクなどの付属品を付けた撮影時の重さは約3.7kg。
本体の重さは約2.4kg。交換レンズやマイクなどの付属品を付けた撮影時の重さは約3.7kg。
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 キヤノンは,HDTV対応の業務用ビデオ・カメラ「XL H1」を2005年11月下旬に発売する(ニュース・リリース)。「HDV」規格に基づきミニDVカセットに1440×1080画素,60フィールド/秒の動画を記録できる。メーカー希望小売価格は100万円(税別)である。

 用いた撮像素子は1/3インチ型CCD。これを3個使った3板式で撮影する。総画素数は167万だが,画素ずらしを用いて水平方向の解像度を高めている。撮影可能な被写体照度は0.5lx~10万lxである。MPEG-2符号化用に「HDコーデックLSI」を新たに開発して搭載した。色相補正は民生用ビデオ・カメラでも用いている「DIGIC DV ll」が担う。なお,本体に備えたHD-SDI端子を介して非圧縮の映像を出力することも可能。消費電力は,オートフォーカスを用いてHDTV映像を撮影したとき7.8Wである。

 動画撮影時のフレーム速度は60フィールド/秒のほか,30フレーム/秒,24フレーム/秒に設定可能。静止画撮影機能も備えており,SDメモリーカードまたはMultiMediaCardに写真データを格納する。

解像力さえ満たせばEFレンズを使える


 今回の製品は光学式手ブレ補正機能を備えた交換レンズを同梱する。焦点距離は5.4mm~108mmで,光学ズーム倍率は20倍。F値は1.6~3.5である。レンズ構成は10群12枚。そのうち1枚の材料に蛍石を用いた。交換レンズは静止画撮影に向けた機械式シャッターを内蔵している。

 カメラ本体と交換レンズのマウントはキヤノンが従来から用いている「XL」。別売りのアダプタを使えば同社の一眼レフ・カメラ用マウント「EF」に変換できるので,同社のEFレンズを使える。ただし,EFレンズの解像力は種類によってまちまちなので,同社はSDTVの撮影時にEFレンズを使うことを薦めている。