ソニーの3倍速カメラのデモ
ソニーの3倍速カメラのデモ
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 ソニーは,現在開催中の放送関連技術の専門イベント「IBC2005」で,高速撮影できるHDTV対応カメラを出展した。毎秒180枚のインタレース映像を撮影できる「1080/180i」のカメラである。

 同社はSDTV対応の高速撮影カメラを持っていたが,HDTV対応品はこれが初めてとなる。発売は2006年になるという。

 想定する用途は,スポーツ中継などのスロー再生である。「ボールの動き,アスリートの汗がよく見えるので,HDTVの高精細映像がより生きる」(ソニー)。

 撮影した映像は,非圧縮のまま3本のHD-SDI信号を使って専用サーバに伝送,符号化して保存する。HD-SDIの信号速度は1本当たり約1.5Gビット/秒で,開発したカメラでは約4.5Gビット/秒が必要になるため,今回新たに10Gビット/秒のインタフェース方式を開発した。

 高速撮影が可能なHDTVカメラの開発例としては,NHK,ナック・イメージテクノロジー,松下電器産業,フジノンが共同開発した5倍速のカメラがある。NHKは,既にスポーツ中継などで同カメラを利用している。

 NHKなどが開発したカメラは,毎秒300フレームのプログレッシブ映像を撮影できる「1080/300p」対応だ。24GバイトのSDRAMを内蔵しており,300コマ撮影時に最大11秒の動画をこのメモリにいったん記録する。その後,カメラとケーブル接続した制御ユニットに信号を送り,速度調整などを行った上で再生する。