筐体表側の携帯電話部。いわゆるストレート型のデザインとしている
筐体表側の携帯電話部。いわゆるストレート型のデザインとしている
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筐体を裏返すとラジオの操作ボタンが並んでいる
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 NTTドコモは,AM/FMラジオとVHF帯のテレビ音声の受信機能を備えた携帯電話機「RADIDEN(ラジデン)」を発売する。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが開発した。携帯電話機にAMラジオ・チューナを組み込んだ製品は世界初としている(発表資料)。

 FMラジオ・チューナやVHFのテレビ・チューナを内蔵した携帯電話機はこれまでにも商品化されている。これに対しAMラジオ・チューナは,(1)端末外部からの雑音の影響を受けやすい,(2)携帯電話部の回路から発生する雑音の影響を受けやすい,(3)アンテナが大きく搭載が難しい,といった課題があったという。これらを解決するため,ソニー・エリクソンとソニーが共同で,雑音を軽減する回路を備えたAMチューナを開発した。携帯電話回路からの雑音は,携帯電話回路にAl製のシールドを施すことで抑えている。AMアンテナは筐体底面に横向きに内蔵した。なお,FM/VHFアンテナは内蔵しておらず,外付けのイヤホン・マイクのコードで代用する。

 携帯電話の通信方式はPDC。電子メールや「iモード」の機能は付いているが,Javaアプリケーション実行環境「iアプリ」やカメラ・モジュールは省いた。ラジオ受信部では,AMの531kHz~1710kHz,FMの76MHz~90MHz,VHFの1チャンネル~12チャンネルの受信が可能。携帯電話部とラジオ受信部の連携機能として,ラジオ聴取中に携帯電話を発着信した場合,音声が自動的に携帯電話側に切り替わり,通話が終了した時点で再びラジオの音声に切り替わる機能を備えた。

 内蔵のLiイオン2次電池は電圧3.7V,容量680mAh。携帯電話部とラジオ受信部とで共用するが,電源スイッチは携帯電話部とラジオ部でそれぞれ独立している。連続通話時間は約120分,連続待ち受け時間は約320時間。音声放送の連続再生時間は,AMが約20時間,FMが約14時間,VHFが約13時間。

 NTTドコモでは今回の機種を,AMラジオの利用頻度が高い40代~50代の男性ユーザーを中心に向けて販売するとしている。