三洋電機は2005年度第1四半期(2005年4月~6月)の連結決算を発表した(発表資料,PDF形式)。売上高は対前年同期比8.6%減の5689億6500万円。営業損益は94億1300万円の赤字,純利益は262億1000万円の赤字で,営業損益は2四半期,純損益は3四半期連続の赤字となった。

 最も足を引っ張ったのが民生機器を扱うコンシューマ部門のデジタル・カメラと携帯電話機。同部門の売上高は対前年同期比12.2%減の2766億2400万円,営業損益は70億9000万円の赤字に終わった。デジタル・カメラの不振の理由は市場競争の激化と価格下落。携帯電話機は,新モデルを投入する時期の狭間に当たったことなどが原因で国内向けの出荷台数が57万台と前年同期と比較して52万台減った。一方で海外向け携帯電話機の出荷台数は263万台で,前年同期と比較して126万台増えた。しかし普及価格帯の品種が大半だったため,価格下落の影響を受けて増益につながらなかった。電子部品を扱うコンポーネント部門は太陽電池の売上高が伸びたものの,半導体や光ヘッドが不振で,売上高は対前年同期比5.9%減の2334億6400万円,営業損益は26億5400万円の赤字となった(Tech-On!関連記事)。

海外での部品調達比率を6割に

 デジタル・カメラの収益改善に向けて同社は今後,OEM向けの製品と自社ブランド品の両方を強化する。OEM向けの製品については,ベトナム工場での生産に比重を置き,コスト削減に努める。海外での部品調達比率も現在の約3割から約6割に高める予定である。自社ブランドのデジタル・カメラについては同社が得意とする動画撮影機能を備えたデジタル・カメラに期待する。「フラッシュ・メモリの低価格化により,ビデオ・カメラの市場を取り込めるようになると考えている」(同社)。携帯電話機についても,高機能品を中心に製品を展開していくことで収益の改善を図る。

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