スウェーデンのEricsson社は,ソフトバンク・グループのBBモバイルと共同で,電話やビデオ伝送をしたまま第3世代移動体通信システム(3G)と無線LANとの間でハンドオーバーをする実証実験に成功した,と発表した。3Gのシステムには,1.7GHz帯対応の端末と基地局を利用した。実験は埼玉県で行った。

 1.7GHz帯対応の3GシステムとWiFi間のハンドオーバー実験は,カナダNortel Network Ltd.とBBモバイルが2005年5月~6月に実施済みであるが,Ericsson社は「ビデオ伝送サービスを両システム間でシームレスに利用できることを確かめたのは,今回が世界で初めて」と主張する(Tech-On!の関連記事)。ビデオ伝送には,3Gで規定したプロトコルである「IMS(IP multimedia subsystem)」を利用した。

 今回の実験には,1.7GHz帯に対応させたEricsson社の3G基地局と英Sony Ericsson Mobile Communications AB製のW-CDMA端末,および無線LAN対応のパソコン,さらにソフトバンクBBが提供する「Yahoo!BB ADSL」向け無線LANネットワークを利用した。W-CDMA端末とパソコンを接続することで「W-CDMAと無線LANのデュアル端末」とみなして使ったという。

 Ericsson社によれば,W-CDMAと無線LANシステム間のハンドオーバー機能は,W-CDMA仕様の標準化を担当する3GPPの仕様「3GPP Release 8」に盛り込まれることが検討されているという。