筆頭株主となるエフエム東京の後藤会長
筆頭株主となるエフエム東京の後藤会長
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新会社へ参画する在京・在阪ラジオ局各社の首脳陣
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 エフエム東京,J-WAVE,TBSラジオ&コミュニケーションズ(TBS R&C),ニッポン放送,文化放送の在京ラジオ局5社は,デジタル・ラジオ放送事業を運営する会社を共同で設立することで合意したと発表した。総務省による放送免許交付の準備動向を踏まえつつ,2005年10月に発起人会を設置,2006年3月の設立,同年4月の本放送開始を目指す。

 新会社は各ラジオ局から電波や設備の利用料を受け取り,チャンネル編成や放送運行,放送設備の設置・管理などを担う。ラジオ番組の制作や広告集稿は従来通り各ラジオ局が実施する。各局は完成した番組の放送を新会社に委託する形となる。

 新会社の社名は未定。資本金は当初100億円で,2011年までに400億円規模へ順次増資していく。出資比率はエフエム東京が24%,TBS R&C,ニッポン放送,文化放送が各10%,J-WAVEが1%。ほかに大阪や名古屋などのラジオ局が合計10%を予定する。通信事業者や自動車メーカー,ラジオ受信機メーカーなどの出資も受け入れる。エフエム東京が筆頭株主に就くことについては,「これまでのデジタル・ラジオ放送に向けた準備において,エフエム東京がリーダー的存在となり先導してきた実績を考慮した」(文化放送 代表取締役社長の佐藤重喜氏)と説明した。エフエム東京はこれまで,3セグメントによるデジタル・ラジオ放送の実用化を強力に推進してきた。

 2011年にアナログ・テレビ放送の周波数帯再編が完了するまでの間は,VHF帯の7チャネル,または8チャネルのいずれかの周波数帯を用いて,8セグメント分の帯域で放送する。新会社が手掛けるのは,NHKへ割り当てる1セグメント分を除いた7セグメント分である。エフエム東京 代表取締役会長の後藤亘氏は「デジタル・ラジオ放送の受信端末に向けたサービスは,3セグメントと1セグメントの双方で展開していく。データ多重放送などの付加価値を付けた3セグメント放送と,携帯電話機を含む可搬型の端末で受信できチャネル数も増やせる1セグメント放送のそれぞれについて,リスナーに訴求していく」との方針を示した。