SCEが用意するPS 3のライブラリ数は当初からPS 2の8倍近くになるという
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SCEはCellを搭載したPS 3のリファレンス・ツールを2005年12月より配布する
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 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は,ゲーム・ソフトウエア開発ツール「ProDG」で知られる英SN Systems Ltd.の買収で両社が合意したと発表した(ニュース・リリース)。SN System社は今までに,プレイステーション(PS),PS 2,PSP向けの開発ツールを製品化しており,PS 3向けのツールも開発途上にあったとみられる。SCEは今後,SN Systems社が持つ開発ツール群をPS 3向けに提供するとした。SN Systems社は現在,任天堂のゲーム機向け「ProDG」も販売しているが,今後の他社向け開発ツールのサポート体制については不明である。

Transmeta社のエミュレーション技術を基にSPEシミュレータを開発

 このほかSCEは,ミドルウエア・ベンダーをはじめとする4社と戦略的提携を結んだ。提携を結んだのは,物理演算エンジンを開発するアイルランドHavok社と米AGEIA Technologies, Inc.,3次元映像描画エンジンを開発する米Epic Games Inc.,マイクロプロセサのエミュレーション技術を持つ米Transmeta Corp.である。SN Systems社の買収とあわせ,各種ライブラリや開発環境をSCEが直接サポートする体制を採ることで,ゲーム・ソフト・メーカーがPS 3向けゲームを開発しやすい環境を整えたい考えだ。

 物理演算エンジンについては,Havok社の「Havok Complete」,AGEIA社の「AGEIA PhysX SDK(NovodeX)」の双方を,2005年秋に配布を開始するPS 3向けのソフトウエア開発キットに組み込む。3次元描画エンジンについては「Epic Unreal Engine 3 for PS3」の評価キットの配布を2005年9月に,ライセンス供与を2005年11月より開始する。

 SCEがTransmeta社と提携したのは,マイクロプロセサ「Crusoe」に86系命令セットと互換性を持たせた同社のエミュレーション技術の供与を受けるため。この技術を用いて,Cellに搭載したSPEコア向けソフトウエアの動作を最適化するツールを2005年第4四半期に出荷するほか,パソコン上で動くSPEシミュレータをデバッグ用途に向けに開発するという。