ホンダは2005年7月20日に開催した記者会見で、4輪、2輪、汎用製品に搭載するパワートレーンの新技術について公開した。4輪では可変バルブタイミング・リフト機構「VTEC」と、可変シリンダ機構「VCM」を改良することで、それぞれ13%と11%、2005年のエンジンから燃費を改善することを目指す。

図1◎進化型VTECでは2005年のi-VTECエンジン比で13%の燃費改良を目指すが、これは1995年比では30%に相当するという。VCMの場合は2005年の通常エンジン比11%で、これは1995年比で25%。

 VTECの改良としては、現在は段階的に切り替えている吸気バルブのリフト量、そしてバルブ開閉タイミングを連続可変制御する。具体的にどのような機構で実現するか、そしてスロットルバルブの有無などは不明だが、ポンピングロス(吸気抵抗による損失)は大幅に低減できるという。ドイツBMW社の「Valvetronic」のような機能を備えた機構と見られる。投入時期としては、2007~2008年ごろを予定している。

 現在は「インスパイア」などに搭載するV6エンジンにVCMを搭載し、片バンクを休止させている。つまり6気筒と3気筒の2段階で切り替えているが、将来的には段階を増やすことで気筒休止の領域を拡大する。しかし、気筒休止システムは例えばエンジンの片側3気筒だけでクランクシャフトを回すため、エンジンの振動が増大する。そこでエンジン振動をエンジンマウントの伸縮で打ち消している。この「アクティブコントロールマウント」も改良して、2気筒や4気筒で走行する際の振動を吸収するという。

図2◎進化型VTECでは、アイドリング時にはリフト量が最小となり、ポンピングロスがなくなるという。

図3◎進化型のVCMでは、より負荷の高い領域、より高速の領域で気筒を休止する。