米QUALCOMM,Inc.は,携帯電話機でダイバーシチ受信を可能にするRF回路向けチップセットを「ワイヤレスジャパン2005」(2005年7月13日から開催)で公開した。携帯電話機におけるダイバーシチ受信は,KDDIの携帯電話サービス「au」が提供中の高速データ通信サービス「CDMA 1X WIN」の対応端末が既に搭載しているものの,同社がRF ICの評価ボードを公開するのは今回が初めて。
QUALCOMM社が出展したのは,米国の周波数帯に対応したRF IC「RFR6000」や「RFR6500」向け評価ボードである。ダイバーシチ受信によって,受信電力が1.5dB~3dB程度の向上が期待できる。CDMA 1X WIN対応端末の場合,50k~100kビット/秒の高速化につながるという。
QUALCOMM社は,日本の周波数帯に対応したRF ICの次世代品「RFR6525」を2005年7月末にもサンプル出荷を始める。1チップで,800MHz帯と2GHz帯の両方に対してダイバーシチ受信が可能になる。量産出荷は10月末~11月を予定しており,2006年春モデル以降の端末に採用される見込みとした。