左から,NTTBP代表取締役社長の小林忠男氏,インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏,首都圏新都市鉄道代表取締役社長の高橋伸和氏
左から,NTTBP代表取締役社長の小林忠男氏,インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏,首都圏新都市鉄道代表取締役社長の高橋伸和氏
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 インテルと首都圏新都市鉄道(本社東京),エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム(NTTBP,本社東京)は,2005年8月24日に開業予定の「つくばエクスプレス」列車内において,無線LANを使ってインターネットを利用する実験を行う,と発表した。実用化すれば,移動中にWebサイトを閲覧したり,情報検索をしたりでき,利便性が高まる。さらに「沿線地域の構成要素をデジタル技術やネットワークで有機的につなぎ,“Digital City”を構成し,周辺地域の活性化に貢献する」(インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏)という狙いもある。

 NTTBPが列車内でのインターネット利用環境用に構築した,無線LAN技術を活用したネットワークを駅舎などに設置。車両にも装置を搭載する。首都圏新都市鉄道は,列車内でのインターネット利用に加えて,主要な9駅の駅構内にも公衆無線LAN環境を整備する。同年秋ごろには20駅すべてで設備が整う予定だ。将来は,列車内や駅構内を含めたすべての路線上で無線LAN環境を整備するという。

 列車内の無線LANシステムの構成は以下の通り。駅に基地局を設け,駅間を光ファイバでつなぐ。6両編成の車両の前後にも基地局を設置して,駅の基地局とつなぐ。車両内は,MIMO(Multiple Input Multiple Output)で接続する。この接続の周波数は5GHzとし,駅—列車間の接続を2.4GHzとすることで,混線を防ぐ。

 つくばエクスプレスの運行区間のうち,北側に交流区間があり,直流と交流を切り替える区間では1分間ほど接続が切れてしまう。これを防ぐためにUPS(無停電電源)を使い,2次電源で接続を維持する。なお,無線LAN環境の設置は,この区間を走行する交直両用車「TX-2000系」を優先して,順次取り付ける。

つくばエクスプレス
つくばエクスプレス
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無線LANシステムの構成
無線LANシステムの構成
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