モバイル・リサイクル・ネットワークのマーク
 電気通信事業者協会(TCA)と情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)は,携帯電話機とPHSにおける2004年度のリサイクル実績を発表した(発表資料)。2004年度の携帯電話機・PHSの本体の回収台数は852万8000台。TCAと携帯電話・PHS事業者では,2001年度より「モバイル・リサイクル・ネットワーク」として,メーカーやサービス提供事業者に関係なく,使用済み携帯電話機・PHSの本体や電池,充電器の無償回収を行ってきたが,本体の回収台数が1000万台を切ったのは2004年度が初めて。回収率も前年度から3ポイント低下して21%だった。回収率は,回収台数÷(各メーカーからの出荷台数の合計−携帯電話・PHSの加入純増数)で算出する。

 モバイル・リサイクル・ネットワークが全国2000人にとったアンケートでは,過去1年間に携帯電話機やPHSを処分した人は全体の16%にとどまっており,前年度の42%から大きく落ち込んだ。処分した人の中でも「ゴミとして捨てた」とする人が36%に上った。携帯電話機・PHSのリサイクルについての認知度も50%を切っている。モバイル・リサイクル・ネットワークのマークについての認知度は24%で,前年度よりも低い結果となった。

 現在利用している機種以外にPHSや携帯電話機を保有する理由(複数回答)としては,多い順に,「コレクション・思い出として」,「個人情報が漏れるのが心配」,「電話帳として」,「データのバックアップ用」,「子どもの遊び道具に」となった。メールや写真などのデータが端末内部に残っているので処分したくないという意向が強いことがわかる(下図)。

旧機種を保有する理由

 モバイル・リサイクル・ネットワークでは,携帯電話機の多機能化を受けて通信機能を利用しなくなっても端末を手元に置いておく人が増えたために,回収率が低下したとみている。今後は,データの移行措置や個人情報の漏洩対策を講じることで,回収可能性を高めていきたいとする。