KDDIは,CDMA2000 1x EV-DO Rev.Aに基づいた通信ネットワークを2006年に導入する(発表資料)。CDMA2000 1x EV-DO Rev.Aは,現行のCDMA2000 1x EV-DOを拡張したもので,データ伝送速度は下りが3.1Mビット/秒,上りが1.8Mビット/秒となる。現行は,それぞれ2.4Mビット/秒,144kビット/秒である。パケット通信の遅延時間を短くするといった通信品質の制御もできるという。これにより,IP電話などリアルタイム性が要求される通信サービスも提供しやすくなりそうだ。

 さらに,無線通信網と固定通信網を統合した「ウルトラ3G」の構築を推進する。2007年に着手する。ウルトラ3Gは,次世代CDMA2000を含む無線通信網と固定通信網を統合したネットワークの呼称である。ちなみに,NTTドコモが推進する次世代移動体通信網は「Super3G」と呼ばれており,フィンランドNokia社が支持を表明している(Tech-On!の関連記事)。

 次世代CDMA2000では,下りについて100Mビット/秒~1Gビット/秒,上りについて50Mビット/秒が目標になる。音声通信容量の向上,周波数利用効率の向上,接続時間の短縮などを目標とする。現行のシステムとは互換性を維持する。KDDIによると,アジア・北米の主要携帯電話事業者と世界の大手通信機器メーカー29社が,KDDIが発案した同規格の策定に合意したという。

 次世代CDMA2000に加えて,現行のCDMA網,無線LAN,IEEE802.16eといった無線通信網,ADSLやFTTHなどの有線通信網を包括する統合網の構築するという。