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日立など,Liイオン2次電池向け制御装置を小型・低コスト化するICを開発

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2005/06/09 20:20
富岡 恒憲=日経ものづくり
[図]中央が開発したセルコントローラのIC。上がそれらを24個搭載した48セル対応の基板。下が従来品。従来品は8セル対応の基板で,8ビットのマイコンとディスクリートの部品などから構成されていた。1セル当たりの暗電流(4V時)も,従来の60μ〜270μAから10μA未満に減っており,従来は半年ほどで干上がっていたバッテリが,3年くらい持つようになるとしている。
[図]中央が開発したセルコントローラのIC。上がそれらを24個搭載した48セル対応の基板。下が従来品。従来品は8セル対応の基板で,8ビットのマイコンとディスクリートの部品などから構成されていた。1セル当たりの暗電流(4V時)も,従来の60μ〜270μAから10μA未満に減っており,従来は半年ほどで干上がっていたバッテリが,3年くらい持つようになるとしている。
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 日立製作所と日立ビークルエナジーは,車載用のリチウム(Li)イオン2次電池で必要な,充電レベルや温度といった電池のコンディションを監視/調整する制御装置(電池制御装置)を小型・低コスト化できる専用ICを開発したと発表した。IC化したのは,電池制御装置で使われるセルコントローラと呼ばれる部分。従来のセルコントローラと比較して,同ICはコストが1/8,体積が1/10,故障率が1/30になったという。ちなみに,日立ビークルエナジーは,バッテリシステム(電池モジュール,冷却用ファン,電池制御装置,電圧センサ,電流センサ,リレーを含む)全体におけるセルコントローラのコストの比率を「1割以下」としている。

 両社は,このICを,48個のセルを直列に接続したLiイオン2次電池モジュールを含むバッテリシステムに搭載し,サンプル出荷を開始する。想定している用途は,主にハイブリッド車や燃料電池車だが,ハイブリッド鉄道車両や電力貯蔵装置などへの応用も可能としている。

 セルコントローラは,Liイオン2次電池の各セルに関し,電圧や温度といったコンディションを検出し,それらの充電レベルが均一になるように調整したり,バッテリコントローラ(電池モジュール全体の電圧/電流/温度/漏電状況を監視し充電器の制御を行う部分)と通信したりする部位。従来はディスクリートの部品を組み合わせて構成していた。両社は,直列に接続した4個のセルのコンディションを1チップで監視/調整できるICを開発,同ICの耐圧を50Vと高く設定することで従来必要とされたセルコントローラ間の絶縁部品を不要とした。

 耐圧を高くすることで絶縁部品を不要とできるのは,セル四つ分だけ高い電位を扱っている隣のセルコントローラの信号を,そのまま受け取れるためだ。例えば,セルを48個直列に接続した電池モジュールの場合,4個のセルを直列接続した部分を12組直列に接続している。そのため,最も高電圧側のセルコントローラでは,セル単体の電位差を4.1Vとすると180.4〜196.8Vの電位を扱っており,その隣の2番目に高電圧側のセルコントローラでは164〜180.4Vの電位を扱っていることになる。従って,最も高電圧側のセルコントローラから2番目に高電圧側のセルコントローラに通信のための信号(矩形波のパルス群)を送る場合,その信号はローが180.4V,ハイが196.8Vのパルス群となり,2番目に高電圧側のセルコントローラのローに相当する164Vから見ると,32.8V高い電位の信号が入力される状態となる。開発したICの耐圧は50Vであるから,32.8V高い隣のセルコントローラの信号を受けることが可能で,それらの間には絶縁部品が要らないという理屈だ。

 ちなみに,セルコントローラのICには,上記のパルス群を入力する端子と出力する端子が一つずつある。パルス群は,セルの電圧検知などICに要求する命令(コマンド),対象とするセルのアドレス,検出結果などのデータに応じてパターン化されている。最も高電圧側のセルコントローラに最初のパルス群が送られ,そこに検出結果が加えられ,一つ低圧側のセルコントローラにパルス群が入力される。そして,そこでも検出結果が加えられ,さらに一つ低圧側のセルコントローラへと順繰りにパルス群が入力されていく。従って,最も低圧側のセルコントローラから出るパルス群には,12組分の検出結果が盛り込まれており,そのパルス群をチェックすることでモジュール全体の状態が分かる仕組みだ。

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