りんごの甘さがわかる

ロボットアームに内蔵した赤外線センサ
 NECシステムテクノロジーと三重大学は,センサで食品の成分などを分析してユーザーに伝えるロボットを共同で開発,愛知博の併催イベント「プロトタイプロボット展」(2005年6月9日~19日)に出展する(発表資料)

 食品の同定には赤外線吸収のパターンを用いる。赤外線を食品に照射して得られた波長ごとの吸収度合いを表す波形パターンを,食品サンプルとして予めロボットに登録しておく。実際に得られたグラフとこの基本パターンを比較することにより,例えばチーズの銘柄や,パンの種類までも即座に推定できるという。

 今回のロボットは,センサ技術を三重大学が,パターン認識技術やOS技術をNECシステムテクノロジーが提供して実現した。内蔵するスピーカを通じて,脂肪や糖分の取り過ぎや,果物の食べ頃かどうかの判定など,健康および食品に関するアドバイスを音声でユーザーに伝えることができる。NECシステムテクノロジーは,ロボットのOS技術などをNECの家庭用ロボット「PaPeRo(パペロ)」に提供しており,今回のロボットの基本的な性能はPaPeRoと同等という(Tech-On!関連記事)

 現在の「味見」の精度は,「チーズなら,カマンベールかエダムかといった見分けができる程度」(NECシステムテクノロジー広報)。今後はこれを改良し,「将来はワインのテイスティングや利き酒ができる程度まで性能を高めたい」(同)としている。製品化のメドは立っていないが,「利き酒をさせてもいいし,健康管理などにも役立つ」と,想定する用途は幅広い。