図1 レノボ・ジャパンが発表したパソコン「ThinkPad X41 Tablet」
図1 レノボ・ジャパンが発表したパソコン「ThinkPad X41 Tablet」
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 レノボ・ジャパンはB5判サイズのノート・パソコン「ThinkPad X41 Tablet」を発表した(図1)。ペン入力パソコンに必要な機能を組み込んだOS「Microsoft Windows XP Tablet PC Edition 2005」を搭載する。同OSに対応するのは同社の製品としては今回が初めてという。2005年7月6日から販売を開始する予定。従来のパソコンと同様,店頭や同社のWWWサイト経由で購入できる。

 今回のパソコンは液晶ディスプレイを回転することで,ノート型としてもタブレット型としても使えるのが特徴。そのためレノボ・ジャパンは放熱設計に力を注いだという。タブレット型の場合,腕に抱えてながら使う状況が考えられるためだ。机の上などに置いて使うノート型に比べて,パソコンで発生する熱が利用者の身体に伝わりやすい。しかもタブレット型は液晶パネルがキーボードの上に覆いかぶさるため,キーボードからの熱が逃げにくい構造となっている。

 こうした熱の問題点を解決するために,利用形態に応じて筐体内部のファンの回転数を変える仕組みを用意した。具体的には,パソコンに取り付けたセンサによって使用モードがノート型かタブレット型かを検知し,タブレット型と判断した場合,ファンの回転数を上げるという。これによりマイクロプロセサなどで発生した熱をパソコン底面に伝わりにくくした。

 このほか視野角が従来の倍の170°と広い液晶パネルを採用した。タブレット型として使う場合,ノート型として使用するのと異なり,複数ユーザーがそれぞれ異なる方向から画面を見るシーンが想定されるためだ。「FFS(fringe field switching)」技術を使った液晶パネルを使った。FFSとは画素電極と共通電極を上下方向に分けて配置して広範囲に横方向電界を発生させる技術で,現在,市場に出ているタブレット・パソコンの多くはFFSを使った液晶パネルを採用しているとされている。FFSは視野角が広いだけでなく,パネルにペンなどを押し当てても色ムラが発生しにくい点も評価されている。