NECと富士通研らが採用したPLL雑音解析ツールが,正式デビュー
2003年に設立された新興EDAベンダーの米Berkeley Design Automation Inc.,は,最初の製品として「PLL Noise Analyzer」を発売した(ニュース・リリース1,同2)。今回の製品はその名の通り,PLLの雑音やジッタの解析をトランジスタ・レベルで行うEDAツールである。
また企業名が示す通りに,創業者が米University of California at Berkeleyと米University of Illinoisで行った研究成果をベースにしている。Berkeley Designはアナログ/RF IC解析の精度向上をねらう。製品の公式発表は今回が初めてだが,PLL Noise Analyzerには,すでに0.25μm〜90nmで作るチップ35品種での適用事例があるという。例えば,ニュース・リリース1にはNECと富士通研究所での採用例が紹介されている。
NECではサーバー・システム部門が90nmプロセスで作るSERDESの開発で使った。「PLL Noise Analyzerを使うことで,テープアウト前にPLLの雑音をトランジスタ・レベルで完全に解析できた」(NECのKunio Mori氏, general manager of the Server System Division)。
一方,富士通研は,クロック・データ・リカバリ回路におけるジッタの解析に使った。既存の雑音解析手法に比べて短時間に高精度な解析が今回のツールで可能になったという。「HSPICEに慣れたエンジニアは,短時間にPLL Noise Analyzerを使いこなせるようになった」(富士通研のBill Walker氏,vice president of Advanced LSI Technology Research)。
PLL Noise AnalyzerはPLLの雑音やジッタの解析に加えて,雑音原因の特定,外来雑音に対する感度などでも,既存の手法に比べて威力があるという。また,既存のアナログ設計フローへの組み込みも容易だとする。
こうした利点の源になっているのが,同社が開発した「Stochastic Nonlinear Engine」という技術である。Stochastic Nonlinear Engineでは,アナログ回路の非線形性や確率論的な振る舞い,振る舞いの時間的な変化を考慮に入れたトランジスタ・レベルの解析が可能だという。
従来の近似手法に比べて短時間で精度の高い,雑音/ジッタの解析が可能になるため,アナログやRFのICの設計や試作のやり直し回数が大幅に削減できるとする。
PLL Noise AnalyzerはHSPICEおよびSpectre形式のネットリストと標準的なデバイス・モデルを読み込むことができる。SunおよびLinux環境で稼働する。即日出荷可能。












