次世代光ディスク規格の1つである「HD DVD」の普及推進団体である「HD DVDプロモーショングループ」は2005年5月16日,第2回総会を開催した。この中で壇上に立った東芝 デジタルメディアネットワーク社 社長の藤井美英氏は,松下電器産業やソニーなどのBlu-ray Disc陣営と進めている次世代光ディスク規格の統一交渉について言及し,交渉がかなり難航していることを明らかにした。

 「東芝として規格統一をあきらめているわけではないが,現時点で0.1mm陣営(=Blu-ray Disc陣営)から0.1mm方式が0.6mm方式(用語解説)より優れていると証明できるデータの提出はなかった。統一フォーマットが必要な再生専用媒体に関してはコンテンツ・ホルダーの意見が最重要であり,多くのコンテンツ・ホルダーが評価している0.6mm方式がベストと考えている。0.1mm方式を進めている陣営が0.6mm方式を公正に評価することが統一の早道。ただし,最終的な判断はコンテンツ・ホルダーがすべきだろう」(藤井氏)。現時点で0.1mm方式に譲って統一する意志がないことを示した。

 先週末にも交渉の場が設けられたものの,議論は平行線に終わったもよう。HD DVDを推す東芝が反発している点は主に2つあるという。1つはBlu-ray Disc陣営が,HD DVD規格で採用するディスク構造「0.6mm基板張り合わせ方式」を統一規格の候補として評価していないこと。もう1つは,0.1mmカバー層方式の再生専用ディスクを安価に製造できることを証明するデータがBlu-ray Disc陣営から出てこない点という。なお,現在のところ次回会合の日程は定まっていないようだ。