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トヨタが高圧型水素吸蔵合金タンクを開発,航続距離は700km以上に

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2005/05/12 16:54
河合 基伸=日経エレクトロニクス

 トヨタ自動車は豊田自動織機と共同で,燃料電池車向けの高圧型水素吸蔵合金タンクを開発した。燃料電池車の課題の1つとなっている航続距離を700km以上にすることが可能という。過去に学会で発表した内容に安全性の試験結果やシミュレーション結果などを追加して,2005年5月11日〜12日に東京都で開催された「第12回 燃料電池シンポジウム」で発表した。

 開発した高圧型水素吸蔵合金タンクは,35MPaの高圧水素タンクをベースに設計した。タンクには水素吸蔵合金と熱交換器モジュールを内蔵しており,35MPaの高圧水素を充填する。水素吸蔵合金はTiCrMnで,有効水素吸蔵量は1.9質量%である。高圧型水素吸蔵合金タンクの外見は,高圧水素ガスタンクと変わりはない。

 発表では,体積が180Lの高圧型水素吸蔵合金タンクを用いた場合に,最大で7.3kgの水素を貯蔵できることを示した。これは,同体積・同圧力の高圧水素タンクに比べて2.5倍以上で,同体積の70MPaの高圧水素タンクに比べても1.7倍となる。これらの結果から,航続距離を700km以上にすることが可能とした。

 安全性に関しては,酸素がタンク内に入った場合に,急激な温度上昇や燃焼につながる挙動が見られなかったという実験結果を示した。

 水素ガス充填時に発生する合金の反応熱は,熱交換器に接続した車載の冷却システムを通じてラジエータから放出する。高圧化と熱交換器の効果で水素の充填速度が高まり,最高充填流量は1万1000NL/min以上に達する。体積が180Lのタンクに,5分間で最大水素搭載量の80%以上を充填できたという。

 水素ガス放出時は,タンクのバルブを開ければ水素を放出できる。水素放出時の合金の吸熱反応でタンク内の温度が下がりすぎることを防ぐために,燃料電池スタックからの発生熱をタンクに供給することもできる。これにより,−30℃での水素放出も可能になった。

 タンクの重さは420kgと,高圧水素タンクの100kg以下に比べてはるかに重い。実用化に向けては,新たな水素吸蔵合金の開発が必要になる。その時の目標値は,体積では合金の1800倍〜2400倍以上,質量では合金の3質量%〜4質量%以上の水素を貯蔵できることが必要になるとした。

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