日経マーケット・アクセスの調査によると,2005年の世界のNAND型フラッシュEEPROMの生産量は,1Gビット品換算で対前年比2.4倍の約11億個に達する。これまでNAND型フラッシュEEPROMは,主にデジタル・カメラの記憶媒体として使われていたが,2005年はデジタル音楽プレーヤと携帯電話機向けで需要が拡大する。2004年第3四半期に大幅に価格が下がって以来,急速に採用が広がった。2005年5月初旬でも需要が活発で品不足が続いている。

後発のHynix社が急速にシェアを拡大


 需要の拡大を受けて,2005年第2四半期に入ってもメーカーは増産を続けている。特にフラッシュEEPROMだけでなくDRAMも生産しているメーカーは,DRAMの採算悪化に伴い,一部の生産ラインで生産品目をDRAMからNAND型フラッシュEEPROMに切り替えてNAND型フラッシュEEPROMを増産している。一般にDRAM用ラインは生産能力が大きいため,一部を切り替えるだけでもNAND型フラッシュの生産量は大幅に増える。2004年にNAND型フラッシュEEPROM分野に参入した韓国Hynix Semiconductor Inc.は,こうした切り替えによる増産で,2005年は大幅にシェアを上げそうだ(関連記事)

フラッシュEEPROMの世界生産個数の推移(2004年までは実績値,2005年は予測値)


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