握手する両社トップ
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両社の事業分野,青色がバンダイ,黄色がナムコ
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 バンダイとナムコは,共同持ち株会社であるバンダイナムコホールディングスを2005年9月29日に設立する。それに伴い2005年5月2日,共同で記者会見を開催し,両社トップが今後の経営戦略を語った。バンダイの幅広い事業でのキャラクター商品の販売力とナムコの有するコンテンツ開発力を融合し,変化の著しいゲーム業界,玩具業界での生き残りを図る。持ち株会社の新社長にはバンダイの代表取締役社長 高須武男氏が,会長にはナムコの代表取締役副会長 高木九四郎氏が就く。

 今回の共同持ち株会社設立に至ったきっかけは,バンダイ,ナムコが共同で開発,2005年4月に販売を始めた「機動戦士ガンダム」である。開発チームから,ゲーム事業だけでなく他の分野でも協力したいという要望が出て,現場の声に押される形で話が一気に進んだ。話し合いを通じ,両社の企業風土が一致していることと,それぞれが展開する事業分野での重複が少ないことを確認し,決断したという。会見では,経営統合という話に絡んで,両社のセガ・エンタープライゼス(現セガ)との合併解消の理由について問われた。バンダイ側は「企業風土が一致しなかった」,ナムコ側は「事業展開の分野に重複があった」として今回の経営統合との違いを示し,両社の相性の良さを強調した。

 バンダイナムコホールディングスの中期の戦略は,事業分野を玩具,コンテンツ,アミューズメントパーク,映像ソフト,その他の関連事業と,大きく5つに分け,その中でもゲーム事業を中心とするコンテンツ分野に関して力を入れていく。「次世代ゲーム機用ソフトの開発費用は10億円以上かかり,1社では負担が大き過ぎる」(ナムコ代表取締役社長 石村繁一氏)とし,経営統合によって,次世代ゲーム機用のソフト開発にかかる膨大なコスト負担を軽減する。今後,他社との事業協力,統合も視野に入れ,さらに開発費の負担を減らす方針であるという。

 その他,経営統合のメリットとして,北米での展開に強いナムコと,欧州・アジアに強みを持つバンダイの統合による地域的な補完と,ナムコの店舗網にバンダイグループの店舗が加わることによるアミューズメント事業の拡大を挙げた。バンダイナムコホールディングスは,3年後の目標連結売上高を5500億円,同経常利益を550億円とした。

【訂正】公開当初の記事で,ナムコの代表取締役副会長 高木九四郎氏のお名前を高木九四朗氏と誤って表記していました。お詫びして訂正いたします。なお,記事は既に修正してあります。